2015年6月24日(水)から26日(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催された「第6回 医療機器 開発・製造展 – MEDIX -」に、今年もイワキは元気に出展しました!

折しも梅雨真っ只中、しかも上半期末という日程ではありましたが、「第26回 設計・製造ソリューション展」「第19回 機械要素技術展」「第23回 3D&バーチャルリアリティ展」も同時開催とあって、ここビッグサイトは“日本ものづくりワールド”と化し、3日間で8万人以上の方が来場したようです。
会場には、安倍首相からの熱い祝辞が届いていましたよ (*^_^*)

さて、「イワ気になる隊」こと、われわれメルマガ編集部が取材に訪れたのは26日(金)。「最終日だから空いてるかなぁ」と思いきや・・・朝からエントランスは大混雑。国内外からの注目度の高さがうかがえます。

そんな中、じつは今回の展示会で、イワキには“特別任務”がありました。なんと! 期間中に開催される「専門セミナー」の講師を務めてくれないか、というオファーを受けたのであります(@_@)

これまでも折に触れ、メルマガやブログ「こんなところにイワキですvol. 10」などでお伝えしてきましたが、イワキは産業用ポンプのコア技術を用いて、補助人工心臓の性能確認や耐久性試験を行う評価システムの開発を行い、商品化を行ってきた経緯があります。

その経験を買われ、「産学官連携への取り組み」というテーマで専門セミナーの講師を務めるという、いささか荷の重い依頼だったわけですが・・・白羽の矢が立ったのは企画推進部の向林部長。同行3名の取材班も、いつにも増して、気合が入りました。

そうこうしているうちに、セミナー開始時刻の11:40です。終了は13:00予定、つまり80分間も「補助人工心臓用耐久試験装置の開発から製品化への産学官連携事例」というかなり固めなテーマで話すわけですが・・・
本人いわく、受講者が本当に集まってくれるのか、当日までとても不安だったとか。

しかし、その不安をよそに、会場は満席! しかも皆さん、熱心にメモを取りながら、真剣な眼差しでセミナーを聞いてくださいました。

補助人工心臓用耐久試験装置の開発から製品化への産学官連携事例

昨今、循環器疾患の治療には、さまざまな医療器具が用いられるようになりました。「カテーテル」などという言葉にも耳馴れてきた感がありますが、こうした医療器具には有効性のみならず、安全性や信頼性が強く求められています。当然、その実用化までには、十分な試験を繰り返し行う必要もあるわけです。

そうした背景から、イワキにお声がかかったのは、2007年のことでした。以前オフィシャルサイトで公開した補助人工心臓用耐久試験装置誕生秘話にもあるとおり、当時国立循環器病研究センター研究所と補助人工心臓の共同研究を進めていた東京電機大学 理工学部 理工学科の本間章彦教授は、人工心臓を2年間、完全に連続運転できる状態で性能を確認できる装置のことで、とてもお困りでした。

「耐久性」とあらば、イワキにお任せください(*^^)v 工業用ポンプでは、2年どころか、5年~10年の連続運転はすでに実績がありました。つまり、イワキにとっての“当たり前”が、医療分野ではとてもありがたがられたわけです。「業界の当たり前も、所変われば新鮮に映る!」このあたりに、産学官連携の醍醐味があるのではないでしょうか。

とは言うものの、産学官連携の取り組みは一筋縄ではいきません。所変われば常識や感覚も違いますから、「官・学」の世界に産業界の効率や納期的な期限などは求められません!データの提出をお願いしていた教授が、いつのまにか学会で海外・・・なんてケースも珍しくありません(-_-;)

一方、企業側ははっきり言って一日も早く業績にしたいわけですから、そんなボタンの掛け違いから、うまく進まない産学官連携も少なくないようですが・・・

現在、生体心波形を再現した心機能シミュレータとして活躍する補助人工心臓用耐久試験装置【ラボハート】が無事に製品化できたのは、手前味噌ながら、イワキ伝統の“あきらめないスピリット”が功を奏したのではないでしょうか。

もちろん、製品化には約7年という長い歳月を要しましたし、なかでも人体の生体波形に近い拍動流を発生させる段階では、使用する素材の選択、弁やバイパスの配管設計に至るまで、チャレンジに次ぐチャレンジの連続でした。

産学官連携は確かに難しい取り組みではありますが、日本のような成熟したマーケットにおいて、メーカーだけで作れるモノには限界があるように思います。これからの時代は、「官」や「学」のスペシャリスト達とうまく連携を取りながら、新しい技術を製品化していく・・・こうしたチャレンジ精神があってこそ、世界に誇れる「日本のものづくり」ではないでしょうか(#^^#)

セミナー終了後に長蛇の列!?

紙面の都合もあって、残念ながらセミナーの内容はすべてレポートできませんが、セミナー終了直後、講師の前に長蛇の列ができたのには驚きました。

なかには数分に渡って講師を独占していた方もお見受けしましたが(笑)、後に並ぶ方々も文句ひとつおっしゃらず、静かにお待ちくださる姿には感動すら覚えてしまいました。
日本のビジネスマンは本当に素晴らしいです\(^o^)/

どうやら、「教授とのきっかけは、どんなふうに作ったらいいのでしょうか?」といったかなり具体的な質問も多かったようですが、「待っているだけじゃなく、ぜひ“学会”に出向いてください!」とか、「あまり一人の教授にこだわらず、複数の先生方と連携を取りながら、広いスタンスで進めていくほうがよいのではないでしょうか?」といった具合に、講師の向林部長も経験に基づくできる限りのアドバイスをしていたようでした。

事実、イワキの「ラボハート」も、早い段階から実際にデモ用の試作機を作り、数々の学会に出向きつつ、できるだけ多くの先生方のご意見をお聞きしながら、開発を進めてきたようです。司会の方から「イワキブースで実物をご覧いただけます」というアナウンスもあって、おかげさまで、その日午後からのイワキブースはますます大盛況でした!

なお、当日のブースの様子は、「MEDIX出展レポート」でもご覧いただけます。

最後になりましたが、ご多忙の中、セミナーにご参加くださった皆さま、並びにブースにお立ち寄りくださった皆さまに、心から感謝申し上げます。十分な対応ができなかった面もあるかと思いますので、ご不明な点などは、何なりとメールサポートよりお問い合わせください。

以上、イワ気になる隊「MEDIX」レポートでした(^^ゞ

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