こんなところにイワキです
 「沼津港深海水族館 シーラカンス・ミュージアム」で活躍するポンプ・後編

【お客様事例】沼津港深海水族館様

イワキの技術力が支える様々なジャンルをご紹介してきたこのコーナー。前回はコーナー初の試みとして突撃取材を敢行し、静岡県沼津市にある「沼津港深海水族館・シーラカンスミュージアム」におじゃました様子をお伝えしました。今回はその「後編」として、水族館の裏側で働くREI-SEA(レイシー)製品にもググッと迫っていきたいと思います。

世界でも類稀なる「シーラカンスミュージアム」 

ここ「沼津港深海水族館」が、日本一の山である富士山のお膝元で、日本一深い湾である駿河湾の「深海魚」に特化した日本一ユニークな水族館というコンセプトで運営されていることは前回お伝えましたが、そのユニークさをさらに際立たせているのが世界一有名な深海魚「シーラカンス」の存在です。

3億5千万年もの間、その姿形を変えずに生息してきた、まさに「生きた化石」であるシーラカンスは、水温を含めた環境の変化がほとんどなく、天敵にも見舞われない「深海」に留まって生息してきたからこそ、気の遠くなるほど長い歴史の生き証人となれたわけですが、そう考えると「深海」と「シーラカンス」は切っても切れない関係にあると言えます。

ここが噂の「沼津港深海水族館・シーラカンスミュージアム」だ!

マイナス20度の特殊な冷凍施設の中で展示されている冷凍シーラカンス

これも何かのご縁なのでしょうが、石垣氏の会社であるブルーコーナーは、水族館オープンの7年ほど前から、このシーラカンス標本5体の“営業権”を持っていました。時には海外から「その標本を買い取りたい」というオファーが来ることもあったそうですが、石垣氏の心の中には「このシーラカンスたちに、いつかは終の棲家をつくってあげたい」という気持ちがあったようです。

シーラカンスの終の棲家であれば、やはり「深海」と縁が深い場所がふさわしいのではないか・・・そんなことを考え始めていた矢先に降って沸いたのが、「沼津港深海水族館・シーラカンスミュージアム」の建設計画です。直観的に「ここをシーラカンスの終の棲家にしよう!」と思い立った石垣氏は、あれよあれよという間に各方面への交渉を進め、佐政水産と共同で「沼津港深海水族館・シーラカンスミュージアム」として、シーラカンスの標本5体を買い取ることを決めてしまったのだとか。同時に佐政水産とも契約を交わして、館外に貸し出さないことを決めたので、現在日本でシーラカンスの商業展示をできるのは、ここ「沼津港深海水族館」だけとなりました。

「シーラカンスミュージアム」には冷凍個体が2体、精度の高い剥製が3体展示されています

石垣氏は元々下田の生まれですから、シーラカンスをここに集めることで、「地元の人が自慢できるような施設」にしたいと考えたわけですね。つまりこの水族館には、石垣氏の地元愛と、深海のスペシャリストになろうという並々ならぬ決意が詰まっているのです(*^_^*)

なかなか見られない水族館のバックヤード

まさにこれが水族館の裏側だ!

これぞ“キモカワ”の究極!? 世界一ブサイクでも見慣れるとカワイイ

次の展示を待つ“控えの選手”たちも大勢待機中

さ~て、ここからは、みなさんを水族館の「バックヤード」ツアーにお連れしようと思います。水族館に足繁く通われている方でも、その裏側に入ったことのある方はほとんどいらっしゃらないと思いますが、お客様が最高の環境で深海生物を観賞できるよう、バックヤードでは様々な装置が懸命に稼働しているのです。

「沼津港深海水族館・シーラカンスミュージアム」のユニークさは、このバックヤードにも遺憾なく発揮されていて、ほぼすべてが“手作り”なのです! なにせここはまず「深海魚」ありき。展示する魚たちをこうやって見せたいから水槽はここから動かせない、だからこの配管をなんとかしてね、といった具合に、設備側が帳尻を合わせるといった関係性ができあがっているようです。

こんな調子で一事が万事、苦労の絶えない設備関係を担っているのが、飼育長である塩崎洋隆氏。
元々ブルーコーナーの社員だった彼は、社長の石垣氏から「今度、水族館やることになったから、行ってね!」と、昼どきのラーメン屋さんで辞令を受けたそうですが(笑)、特筆すべき器用さとその探究心を思いきり発揮して「深海生物を飼育するための設備」の研究に没頭していきます。

まさに手作り!春休みの展示の準備にお忙しい塩崎飼育長

塩崎氏いわく「答えを出すのはすべて生物」だそうで、「他の水族館では、飼育と設備を別の人が担当していることが多いみたいですが、やはり生物の飼育をよくわかった人間が設備までやるほうが、ベストな環境がつくれるに決まってるんです」と熱く語ってくださいました。

さらに「深海生物を生かすために最も安定させたいのが【水温】なんです。この部分は信頼できるメーカーさんと組まないとできませんから!」「深海生物を扱う以上、冷却装置の故障で水温が上ってしまうなどというミスがあってはなりませんし、水槽内の水を動かす『ポンプ』は、人間の体にたとえれば心臓ですから、こうした肝となる部分には、安心して任せられるパートナーを選ぶことが、深海生物を生かすための早道だと考えているんです」と、嬉しいお言葉をいただきました\(~o~)/

ふだんは無口?な塩崎氏も専門分野を語らせたらどこまでも熱い

さらに石垣館長からも、嬉しいお言葉が続きます。「品質への信頼はもちろんだけど、やはり“人”への信頼もあるよね。イワキさんみたいに、納入後も定期的に寄ってくれるメーカーさんはほとんどいないよ!」

バックヤードでの立ち話から、新しいアイデアが生まれることも

深海魚は見てよし、食べてよし!?

さて、バックヤードを出て、館内をもうひと回りすると・・・

熱い想いを語ってくださった石垣館長(左奥)と塩崎飼育長(右手)

日本一深い駿河湾に潜むユニークな深海生物が展示されています(写真提供:沼津港深海水族館)

石垣館長のお話は、何時間でも聞いていたいほどおもしろいっ!!

深海生物を中心に多くの透明骨格標本が展示されています(写真提供:沼津港深海水族館)

ダイオウグソクムシ(写真提供:沼津港深海水族館)

メンダコ(写真提供:沼津港深海水族館)

サギフエ(写真提供:沼津港深海水族館)

ミドリフサアンコウ(写真提供:沼津港深海水族館)

・・・いつの間にやらランチタイム。そろそろお腹も空いてくるはずです。そこで一旦外へ出て、隣接する「港八十三番地」のなかから、どこのお店に入ろうかと物色・・・「やはり、ここは深海つながりでしょう」と、深海魚をいただけるお店に決めました(*^_^*)

海鮮どんぶり&深海魚料理専門店「Donどこ丼」という、なんとも景気のいい名前のお店に入り、われわれが頼んだメニューは・・・

「しらすレインボー(7色)丼」、「深海寿司盛り合わせ」、そしてご当地名物の「超深海魚丼」という、インパクトあるラインナップ(*^^)v だって、これも取材のうちですから(笑)。

おいしいランチをいただいて、ほどなく水族館に戻ると、ちょうどスタッフさんによる「実験タイム」が始まるところでした。今回は深海の水圧実験。カップラーメンの容器に深海と同じ圧力をかけると、どう変化するか?を目の前で実際に見せてくれるのです。

実験の結果は水族館へ行ってのお楽しみ!

こんなふうに、単なる展示に留まらず、いかにして深海に興味を持っていただくか、お客様に楽しんでいただくかという工夫を重ねている姿を目の当たりにし、この水族館の人気の裏側を覗いた思いがしました。

沼津から世界へ! 広がり続ける夢

さて、前編・後編の2回に渡ってお届けしてまいりました「沼津港深海水族館・シーラカンスミュージアム」レポートはいかがでしたでしょうか? 今でこそ、年間42万人以上のお客様が来館し、今年2月27日の午後2時には入館者100万人を達成! 石垣館長は昨年200回以上メディアに登場し、名だたる内外のメディアからも取材の依頼がひっきりなしに届くような人気の水族館になりましたが、決して最初からうまく行くことばかりではありませんでした。

それどころか、建設計画当初は周りから「そんな水族館に誰が来るの?」「死んだシーラカンスを展示してお金を取るの?」といった冷たい反応。オープンしてからも「入館料が高すぎる」とか「目当ての生物が見られなかった」「館長を出せ!」などのクレームがしばらく続いたそうです。

そんななか、石垣館長をはじめとするスタッフのみなさんがあきらめなかったのは、「地元の人が自慢できる施設にしよう」という明確な目標があったからではないでしょうか。今でも沼津は若者の人口流出が多い街ですが、この水族館が「地元が潤うサイクル」の原動力になれればという熱い想いがあるのです。だからこそ、展示やイベントの企画も、全員でアイデアを出し合いながら決めていきます。「他でやってないこと」「自分たちが本当におもしろいと思うこと」を常に探し続けているそうです。

また、スタッフのみなさんには全員順番で、深海魚の仕入れのために、地元漁師の船をチャータ―して行われる深海底引き網漁に出てもらうのだとか。

「こうした生の体験がないと、深海魚に愛着が湧かないでしょ? 仕事は机の上で考えてるだけじゃダメなんだよね。現場を知らないと!!それはどんな仕事でも同じだと思うよ」と石垣氏。

こうした体験の積み重ねで、しだいに深海魚を長く生かし続けるノウハウも確実に蓄積されていくはずです。そして「沼津港深海水族館・シーラカンスミュージアム」はもう、単なる商業施設ではなく、深海魚の研究機関になりつつあります・・・いささか手前味噌ではありますが、そんな価値ある水族館のバックヤードで働ける「レイシー」の製品たちが、妙に誇らしく思えてきました(*^_^*)

最後になりましたが、大変お忙しいなか、われわれの取材のために貴重なお時間を割いていただいた石垣館長、塩崎飼育長をはじめとするスタッフのみなさまに、心からお礼を申し上げたいと思います。

そうそう、石垣館長の新刊『本当にいる世界の深海生物大図鑑』(笠倉出版社)が出たばかりです。

他にも、『深海生物―奇妙で楽しいいきもの』(笠倉出版社)『深海生物 捕った、育てた、判った!“世界唯一の深海水族館”館長が初めて明かす』(小学館)『「水族館」革命』(宝島社)などのご著書がありますので、ぜひお手に取って、深海の不思議な世界を覗いてみてください!

深海生物大図鑑©
著者:石垣幸二
笠倉出版社

深海生物
奇妙でたのしいいきもの©
著者:石垣幸二
写真撮影:峯水亮
笠倉出版社

深海生物
捕った、育てた、判った!
著者:石垣幸二
小学館

「水族館」革命
著者:石垣幸二
宝島社

以上、沼津より、こんなところにイワキです[番外編]、「沼津港深海水族館レポート」後編をお届けしました(^^ゞ

(取材&執筆:有限会社ティー・キューブ)

◆沼津港深海水族館 シーラカンス・ミュージアム◆
  http://www.numazu-deepsea.com/

年中無休(保守点検のため臨時休業の場合あり)
通常営業時間 10:00〜18:00(7月中旬から8月末は19:00まで)
所在地 静岡県沼津市千本港町83番地
電話 055-954-0606
アクセス JR東海道線「沼津駅」南口よりバスで約15分「沼津港」下車

車でお越しの方は、東名沼津ICより約20~30分