東京都江戸川区にある江戸川清掃工場に全力で「突撃取材」を敢行中のイワ気になる隊。

≪ポンプを支えるイワキのメンテナンスサービス ・前編≫では、清掃工場の全体像をお届けしました。

ここで処理されているのは「可燃ごみ」です。私たちが日々、当たり前のように出しているごみが、実際にどのように処理されているのか、その現場を目の当たりにし、想像以上の衝撃と感銘を受けました。

かくも丁寧に、そして優れた技術で処理しているのか!

地球環境を守るためにどれほどの配慮がなされているのか!

さらには、焼却熱を電気として再利用しているエコの心意気!

日本の技術は素晴らしい・・・あらためてそう思った気になる隊でした。

それでは、お待たせしました! いよいよ、当レポートのメインディッシュ!

イワキのメンテナンスサービスの全容をお届けいたしましょう。

今回オーバーホールを行うのは、次亜塩素酸ソーダ添加注入用の定量ポンプ。このポンプでごみの焼却時に出た汚水を、安全な水に変身させるための溶液を加えています。

メンテナンス本部の田中部長の案内で、現場となる2階の汚水処理電気室に到着しました。すでにメンテナンス本部の前嶋さんと久本さんがスタンバイされています。

いよいよ作業開始!
それでは、よろしくお願いします!

24時間稼働する現場でのメンテナンス

「本日は、2台並んでいるうちの、左側の方だけをメンテナンスします」と、田中部長。なぜ、2台同じポンプが・・・その理由は極めてシンプルで、そして納得できるものでした。

清掃工場は、24時間、休むことなくずっと稼働しています。1年に2カ月ほどすべての設備を止めて、機械の点検や部品の交換、内部清掃などを行いますが、それ以外はずっと「動き続けて」いるわけです。

もちろん今回も、すべてのシステムは通常通り動いています。そんな中でのメンテナンス作業は、全体のシステムに影響が出ないように配慮するのが最も重要。2台あるポンプの一方を動かしながら、1台ずつ素早くメンテナンスしなければなりません。ここがイワキのポンプマンの腕の見せ所なのです。

今回のミッションは、解体分解可能な箇所をすべて取り外してキレイに清掃し、消耗品をすべて交換すること。故障は無く元気に働くポンプですが、こうして本格的にメンテナンスすることで、ポンプが安全に動くことはもちろん、ポンプの寿命も延ばすことができるのです。

分解作業に光るプロのワザ

まずは、すべての部品を取り外していきます。慣れた手つきで次々と工具を操り、部品を外して行きます。その様子は、さながら「ポンプ解体ショー」のようでもありました。

しゃがみ姿での作業も多く、間近で見て、足腰が強くないとできない仕事であることを実感。気になる隊メンバーなら、2~3分で「足が痛い」と言い出しそうですが、そこは流石のポンプマン。ぐっと腰が入っていて、多少のことにはビクともしない安定感に、なんとも言えぬ頼もしさを感じました。

分解作業はとても慎重に行われ、できるだけ周囲を汚さないように十分に配慮されています。たとえば、ポンプ駆動部分を分解する際には、どうしても内部にたまっていた潤滑用のオイルが出て来てしまいます。そこで、取り外し部分の周りをいったんビニールで囲ってから、オイルを抜き取り、部品を外して行くのです。そのあたりの手際の良さ、そして心配りは、さすがプロですね!

こちらが取り外したモーターとポンプ本体の接合部。円周部分の茶色くなっているのが、オイル洩れ防止のシールです。

さらにネジを外し、各部品の最小単位まで外していきます。その上で、くっ付いてしまっているシールを手作業で剥がして行きます。つ~っと剥がれればいいのですが、そうは問屋が卸しません。ガッチリと固まっている部分もあり、なかなか手強そうです。

これをナイフを使って削ぎ落としていくのですが、この作業がまた繊細!気をつけなければ自分の手をザックリやってしまいそう・・・。メンテナンスは手先が器用で、しかもコツコツと辛抱強く作業に当たれる粘り強さ、そして集中力が欠かせないのだと、改めて認識いたしました。

なんか、話しかけるのも申し訳ない雰囲気なのですが・・・

「地味な作業ですよね(笑)ここまで分解してメンテナンスを行うのは、今回が初めてなので、こびりつき方も強力です。がんばってキレイにします」と前嶋さん。

そうこうしている間に、着々と作業は進んで行きます。すべての部品を分解、清掃して、キレイに並べていきます。ここでやっと「道半ば」までやってきました。

ご覧ください! Theビフォー・アフター!

このあと、交換可能な部品、消耗品をすべて交換し、再度組立てていくのですが、その前に、大事な「儀式」がありました。ビフォー・アフターが一目でわかるように、記録するのです。

小さなベアリングのひとつに至るまで、左右同じように並べて、シャッターを押します。この几帳面さは、さすが技術者集団!「プロの仕事、ここに見たり!」という感じでした。

記録が完了したら、いよいよ最終工程。再度、元通りに組立てていきます。ネジ1本、ナット1つでも残ったら大変です。もちろんそんなことにはなりませんが、慎重に作業を進めていくその表情は、真剣そのもの。メンテナンス部の皆さんは、今まで数えきれない程のポンプを分解し、そして組立ててきていますが、最後の最後まで気を抜くことはないとおっしゃいます。

「ポンプは動いて当たり前」なデバイスです。でも、その「当たり前」を現実のものにしているのは、ポンプを知り尽くした男たちによる地味な作業ということが、今回の取材でよくわかりました。

ポンプの種類、使われる環境によって、お客さまご自身がメンテナンスを行うこともあるそうですし、もちろん簡単な交換などは積極的に行っていただきたいのですが、このような本格的なお手入れを定期的に行うことが、「平穏な日々」を支えているのですね。

人間でも、よりディープな人間ドックを定期的に行うことが、病気の早期発見、予防につながるのと同じように、ポンプもまた、プロの目で、プロの手を入れることで、全然動きが変わってくるのだと思います。そう考えていくと、メンテナンスサービスに携わる皆さんは、さながらポンプのお医者さん。任せて安心!な存在なのです。

以上、「こんなところにイワキです」番外編として、2回にわたってお届けしたイワキのメンテナンスサービスレポートはいかがだったでしょうか? メンテナンスに関するご質問やご相談などあれば、ぜひこの機会にお問い合わせください(^O^)/

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