イワキ創業40周年の社史をもとに、イワキの歴史を紐解いていくこのコーナー。文字通り「ポンプに賭けた」男たちの熱いドラマを、お伝えしていきます。

弱冠26歳の名古屋営業所長

1969(昭和44)年、直販第2の拠点として名古屋営業所が開設されることになりました。初代所長は山田茂宏、弱冠26歳の若手です。

「きみは、岐阜出身だったな」
「今度、名古屋に営業所をつくるんだ」
「名古屋と岐阜は近いよな……だからきみ、行ってくれ!」
「行くのはなあ、春がいいぞ」

そんな辞令を受け、山田の身辺は突如として慌ただしくなりました。名古屋に赴任するまでの5カ月足らずのあいだ、営業第二課の係長としての仕事をしながら、68年末から受講していた営業研修に出席し、なおかつ営業所立ち上げの準備をしなければならなかったからです。

さらに、個人的には、名古屋転勤が決まったために予定を早めた結婚式の段取りのこともありました。飛び回るように忙しい数力月を過ごし、山田は予定どおり5月半ばに名古屋に赴任したのでした。

1969年(昭和44年)当時の世相
重大ニュース
東大安田講堂事件(東大安田講堂攻防戦)/ 東名高速道路(東京─小牧間)が全線開通 / アポロ11号が人類初の月面有人着陸を果たす
物価
【郵便】封書15円、はがき7円
【交通】国鉄最低運賃30円。タクシー基本料金100円
【通信】電話 基本料900円
【その他】理髪料491円 / 入浴料 34円
新商品 / 新番組
ブルーレット(小林製薬)
フェアレディZ(日産自動車)
8時だヨ!全員集合 放送開始(TBS系列)
サザエさん 放送開始(フジテレビ系列)
流行語
あっと驚くタメゴロー / エコノミック・アニマル / ニャロメ / オヨビでない / オー、モーレツ! / はっぱふみふみ / フォークゲリラ

代理店と二人三脚で営業活動開始!

1969(昭和44)年春、赴任早々代理店に挨拶に行った山田は、そこでまた、「イワキの営業所は代理店の応援をします。でも、それだけでなく、そちら様で手の回らないところは、どんどん開拓させていただきます」という説明をしなければなりませんでした。

代理店をもつメーカーが営業所を出す目的は、あくまでも代理店を支援すること、というのがそのころの常識でしたから、相手は当然面喰らいます。上層部で話し合いがついてはいたものの、実際担当者から目の前で言われれば、相手はやはり驚くわけです。

「俺たちだけを応援してくれるんじゃないのか」
「お客を取るんじゃないの?」

と警戒したのも無理のないことでした。

「いままでメーカーさんの営業所で成功したためしはないよ、大丈夫なの?」

そんなことを言われたこともありました。そんな時は、負けず嫌いの山田の血が騒いだものです。

転勤前の不安も忘れて、いったん引き受けたからにはとことんやってやる、という気持ちになっていた山田。だからと言って名古屋へ喧嘩をしに来たわけではありません。言葉よりも、実際の仕事で分かってもらうのが一番だと考え、イワキを担当する代理店の営業マンを営業所に預かり、3カ月かけてケミカルポンプの勉強をしていただくことに決めました。

名古屋営業所の代理店担当者は、当時2か所あった代理店のそれぞれのイワキ担当と、今日はあちら、明日はこちらという具合に同行セールスをしました。その一方で、イワキの直販営業としては、約束どおり代理店が開拓したユーザーを守って営業したわけですが・・・

名古屋支店営業所初期のメンバー。最後列、右から3人目が山田所長

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