残された社史に基づき、イワキの歴史を紐解いていくこのコーナー。
文字通り「ポンプに賭けた」男たちの熱いドラマを、お伝えしていきます。

日本の経済成長と共に高まるケミカルポンプの需要

前回は、イワキのケミカルポンプが「写真の自動現像機」向けに大ヒットを飛ばしたというお話をしました。1960年代中頃、昭和で言えば30年代後半のことですが、高度経済成長が続く日本で、石油化学工業がどんどん発展していった時代です。ある意味、ケミカルポンプの需要は、日本の経済成長と共に高まっていったのでした。

時代は「まったく液漏れしないポンプ」を求めていました。「世の中にないのであれば、われわれが作るしかない!」とばかり、イワキはこの分野を真摯に探求していきました。そして遂に! 1966(昭和41)年。ラボポンプ「MDP型」の開発に成功します。そして、翌67年にはこの改良版である「MD型」も完成しました。

しかし、当時はまだ、製品名に「マグネットポンプ」の名称は使っていませんでした。マグネットポンプの原理は海外情報から求めたもので、アメリカではすでに製品化もされていましたが、日本でこのポンプの量産化を行ったのは、われわれイワキが初めてだったのです。そして、この「マグネットポンプ」こそが、後にイワキという会社の存在価値を高めることになっていくのですから、イワキにとっては大変意味深い製品なのであります。

縦型ポンプVLP型図版

開発当時のマグネットポンプ

「マグネットポンプのイワキ」 誕生!

ここであらためて、「マグネットポンプ」について解説したいと思います。

今日では一般的な名称として使われている「マグネットポンプ」ですが、その駆動方式がマグネットドライブであることから名づけられたものです。

モータの回転軸に外輪マグネットを取り付けて駆動マグネットとし、ポンプ部のインペラ・内輪マグネット・シャフトをプラスチックで一体成型して、インペラ従動マグネットとしています。

ポンプ本体部は、フロントケーシング、インペラ従動マグネット、バックケーシングで構成され、ここには軸シールがありません。ポンプ本体部バックケーシングの外径に駆動マグネット内径をはめ合わせて、磁力によってモータの回転をインペラの回転に伝達します。

開発当時のマグネットポンプ

つまり、ポンプ本体部と駆動モータ部は完全に分離され、軸シールがないので、液漏れが発生しないわけなのですが・・・この続きは次号のお楽しみということで。

「マグネット駆動方式」については、以前「ポンプなるほど」のコーナーでも詳しくご紹介しているので、こちらもあわせてお楽しみください♪

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