残された社史に基づき、イワキの歴史を紐解いていくこのコーナー。
文字通り「ポンプに賭けた」男たちの熱いドラマを、お伝えしていきます。

改良版「MD型」の評判

前回は、後にイワキという会社の存在価値を決定づける商品となった「マグネットポンプ」について、あらためてその構造から振り返りました。経済成長が続く当時の日本に「まったく液洩れしないポンプ」を提供すべく、日夜努力を重ねていった我々は、遂に! 1966(昭和41)年、ラボポンプ「MDP型」の開発に成功。翌67年にはこの改良版である「MD型」も完成しました。

MD型は、「液洩れが発生しない」ことと同時に、耐食性が高いことでも好評でした。高度成長期を迎えた産業界では、製造工程において様々な薬液が使われるようになっていったわけですが、そうした時代のニーズとも絶妙にマッチした結果と言えるでしょう。「ラボポンプ」から小型マグネットポンプのカテゴリーとして独立したMD型は、その後10年近くもの間、後発の競合メーカーを寄せつけずに独走を続け、「マグネットポンプのイワキ」の名を広めてくれたのでした。

マグネットボンプに新素材「フッ素樹脂」を採用!

好評を得たこの「MD型」は、このチャンスを逃さんとばかりにシリーズ化が進められました。流量別にMD-30、MD-50、MD-80と開発されていきましたが、これらはすべて、様々な「装置」に組み込んで使うタイプのものでした。

小型マグネットポンプMD型

シリーズ化に向けて開発された当時のマグネットポンプ。左からMD-80、MD-50、MD-30、MD-15

しかし、用途が広がれば、それだけお客様のニーズも広がっていきます。

開発から3年後の1970(昭和45)年には、あらゆる分野の生産工場の製造プロセスをターゲットにした中型マグネットポンプ「MDHシリーズ」へと進化を遂げていくことになります。

マグネットポンプMDH型

各種製造プロセスでは当然のごとく、より強い耐食性と連続運転が可能なケミカルポンプが要求されます。そこで、1973(昭和48)年には、当時としては最新の素材だった「ニフッ化樹脂」と「アルミナセラミックス」の採用に踏み切ります。まさに未知へのチャレンジとなりましたが、こうして開発された新製品「MDF-50」への期待は大きく膨らんでいきました。

チャレンジの甲斐あって、内部は新素材、外部を金属でカバーしたマグネットポンプ「MDF-50型」はかなり好評でした。しかし、出荷台数が増すにつれて、それまで以上に要求される仕様は厳しく、多様になっていったのも事実です。そこでイワキは、再びチャレンジを決意! 1977(昭和52)年には、MDF-50型に樹脂素材では極めて耐食性に優れたフッ素樹脂を採用し、構造にも改良を加えた「MDF-65型」「MDF-80型」の開発に成功します。

マグネットポンプMDF-50型

これらが後にプロセス用大型マグネットポンプMDF-L、MDX、MDEシリーズとして、まさに大きく発展していくことになるのですが・・・この続きは次号のお楽しみということで。

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