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ポンプに賭けた男たち
イワキ創業40周年の社史をもとに、イワキの歴史を紐解いていくこのコーナー。文字通り「ポンプに賭けた」男たちの熱いドラマを、お伝えしていきます。
1969(昭和44)年、名古屋営業所開設にあたり、イワキは代理店の営業マンを預かり「ポンプ講習会」をスタートさせました。それは、当時の日本にはほとんどいなかった“ケミカルポンプのプロ”として、代理店と二人三脚でマーケットを開拓していこうという決意の表れでもあったわけです。
「何を言っているんだろう?」と、一瞬山田は首をかしげました。「需要量からいったって、名古屋が東京や大阪を負かして日本一になれるわけないじゃないか。それに部下を大きく育てると言っても、一体どうすればよいのだろう?」疑問は深まるばかりです。
社交辞令でそんなことを書く上條次長ではないから、山田はしばらくその意味するところを考えました。思えば、部下を育てることの責任は山田も感じていました。26歳でいきなり7人の部下の管理を任され、どうすればよいのか脳んでいたのは事実です。
考えてみれば、イワキという会社が何か仕事を任せるときに、手取り足取り教えてくれることはまずあり得ません。とにかくドカンと任せて試行錯誤させる、その間上司はじっとがまんをして見守る、というやり方を貫いているのは、よく分かっていたつもりです。
その分、信頼して任せてもらったという張り合いや、それなのに結果が出せない苦しさを乗り越えてこそ、真の成長があるというのがイワキの考え方だったのです。
それは、正々堂々と真面目営業・正攻法の営業で行け!ということでもありました。けっして姑息な手段を使わずに、正攻法の営業を身につけることが第一だったわけです。「誇り高い営業マンであれ、トラブルから逃げるな」それが自然とイワキの営業方針になっていたのです。「そうだ!このことを新しい社員に伝えていけばいいのだ」と、ようやく山田は理解しました。
さて、もうひとつの「名古屋を日本一に」とはどういうことだろう? 頭をひねった山田が出した結論は、売上げでどうこうということではなく、地域でのシェアで一番になるということでした。「シェアを伸ばして、パイを広げよう! そして、名古屋営業所を,日本一の営業所にしてやるぞ!!」山田はひとり心を熱くし、必死の毎日を過ごしていったわけですが・・・
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