イワキ創業40周年の社史をもとに、イワキの歴史を紐解いていくこのコーナー。文字通り「ポンプに賭けた」男たちの熱いドラマを、お伝えしていきます。

海外市場に躍り出たイワキのポンプ

1967(昭和42)年に貿易部が誕生し、翌1968(昭和43)年から、台湾への輸出を開始したイワキでしたが、今回はそれから6年ほど経った1974(昭和49)年、海外の見本市に出展しはじめた頃のお話をしたいと思います。

ちょうど「イワ気になるチャンネル」では6月にフランクフルトで開催された「Achema(アヘマ)2015」の報告をしたり、「世界のIWAKI」のコーナーでも、ドイツの話題に触れているので、あわせてお読みいただくのも一興かと存じます(#^^#)

最初に出展したのは、当時の西ドイツで開催されていた「フォトキナ展」という(写真関係)の展示会でした。続いて、1976(昭和51)年には、やはり西ドイツで開催されていた「Achema(アヘマ)展」に出展を果たしました。アヘマ展は、3年に1度フランクフルト市で開催される化学工業機器展であり、当時からケミカルポンプのイワキにとって、最も重要な見本市のひとつでした。

1976年(昭和51年)世界最大の化学工業機器展 ACHEMAに出展

イワキ初のヨーロッパ見本市への出展を任されたのは、学生時代ポンプ理論を勉強していたという1975(昭和50)年に入社したばかりの相山明でした。その後、イワキ・ヨーロッパ所長として活躍した人物ですが、どうも入社当時から英語ができたわけではなかったようです。それでも「やる気のある者には思い切って任せる」というイワキの方針で、相山は見本市出展への手続きという重要な仕事を任されたのです。

出展申し込み、それにともなう英文での書類作成、出展ブースのレイアウトや英文バンフレット・価格表等の準備。出展機器類の梱包、出荷、保険や関税の手続き、現地での製品組み立て、現地説明員の教育、引き合いカードの取り方など、すべてイワキにとっても相山にとっても初めてのことばかりでした。

やる気のある者には大きな仕事を任せるのがイワキ流

ここだけの話ですが、実はこの時、相山の胸の内は不安でいっぱいだったようです。なぜなら、アヘマ展で初めての海外出張をする直前、本社にヨーロッパからのお客様が訪れた際、海外出張のテストとして通訳を仰せつかったのですが、まったく意思が通じなかったという経験をしていたからなのです。それは今でも忘れられないほど、強烈なショックだったようです。それでも、アヘマ展の一員に加えてもらい、その責任を預かることになった相山は相当嬉しかったことだけは確かであり、だからこそ必死で頑張れたのでしょう。

心配をよそに、イワキのアヘマ展への第1回出展は無事に成功しました。いよいよイワキのケミカルポンプ、そしてケミカルポンプのイワキが世界に認められたのです! 相山もこの成功で自分に大きな自信をつけました。今、思い返してみても、若い時代にこのような経験をすることが、いかに人を成長させるかということを実感したようです。

新人だろうと何だろうと、やる気のある者にはそれだけの大きな仕事を与えて任せてしまうというのが、まさに“イワキ流”。任された方は試行錯誤をし、苦しみながら必死になってやり抜くことで自信をつけ、「仕事をやり遂げる」ということがどういうことかを心と体の両方でつかむ。そして信頼して任せてくれたことに感謝し、自分もまた人を信頼できるようになる・・・困難に向かった時、無謀ともいえるやり方でぶつかっていったイワキの若さと勇気、これからのイワキを背負う若い世代にも伝えていかなければならないと相山は強く感じていたわけですが・・・この続きは次号のお楽しみということで。

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