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ポンプに賭けた男たち
残された社史に基づき、イワキの歴史を紐解いていくこのコーナー。
文字通り「ポンプに賭けた」男たちの熱いドラマを、お伝えしていきます。
前回は、1984(昭和 59)年、半導体プロセス前処理用循環ポンプ「FB-50 型」「FB-70 型」の開発に相次いで成功! 遂に製品化されたところまでをお話しました。当時のイワキには特殊ポンプの開発依頼案件などが持ち込まれるようになっていったのですが、この案件も、とある「電子機器メーカー」からの依頼でした。
フォトレジストは高価ですので、無駄にしないためにワンショットの吐き出し量が高精度であることが要求されました。さらに、ボタ落ちを防ぐためにサックバック方式を取り入れるなどの工夫も重ねました。
半導体産業のめざましい技術革新に合わせて、イワキの半導体プロセスポンプに対する要求仕様もどんどん高レベルになっていきましたが、世界でもトップレベルである日本の半導体産業を、イワキは陰ながら支えてきたと言っても過言ではないでしょう。
日本の半導体産業が伸びるにつれ、イワキのポンプも半導体プロセスに組み込まれて海外へも出ていきました。その後、半導体ビジネスの中心はアジアヘと移り、もう頭打ちではないかと言われながらも、半導体産業が今後も場所を変えてまだまだ大きな市場を形成し続けると確信し、イワキは伴走を続けてきたのです。
こうして時は流れ、1990 年代に入りました。元号も昭和から平成に変わり、イワキのポンプの活躍の舞台にも変化が訪れます。公益財団法人海洋生物環境研究所、通称「海生研(かいせいけん)」から、とある大きなプロジェクトに関する相談が持ち込まれたのです。
千葉県にある「海生研」は、原子力発電所等から放出される温排水の周辺の海洋生物への影響を調査・研究することを目的に設立されました。
この「海生研」へは、もともとイワキのグループ会社「レイシー」が、海水魚飼育用のポンプを納入していたのですが、ある時レイシーの担当者が「海生研」の温度制御ポンプが不調であるということを知り、それならとイワキ「PFC」をすすめました。これがイワキ製品の「海生研」への最初の納入となりました。1987(昭和62)年のことでした。
まもなく「PFC」の性能が認められたのか、その翌年には「海生研」が行った養殖漁場の飼育環境容量を明らかにするための実験装置「溶存酸素量調節装置」の納入を果たしています。
そして遂に「海生研」の責任者から、ある大きなプロジェクトの話を聞かされることになるのですが・・・気になるこの続きは次号のお楽しみということ で。
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