このコーナーでは、ポンプにまつわる様々な「気になる」キーワードにスポットを当てて、イワキならではのノウハウで、楽しく解説していくことを目指しています。

10月のキーワードは>>>>> ズバリ!【ケミカルポンプと耐食性】

イワキが得意としている分野は様々な「化学薬液」を移送することです。イワキは「化学薬液」を移送するケミカルポンプのリーディングカンパニーとして、50数年にわたり、薬液とポンプ素材の組み合わせの研究を重ねてきました。今回はその研究成果の一部を、少し解説してみたいと思います。

汎用ポンプとケミカルポンプはどこが違う?

水を移送するポンプをイメージしてみてください。たとえば液体(水)がポンプケーシング部から外部に洩れ出ても、周囲に及ぼす影響は大きくはありません。なんたって、水なんですから…。

したがって水を移送するポンプは、接液する部分の材料に、鉄や銅をはじめ、真鍮、ステンレスなどの金属を利用することができます。

しかし、「化学薬液」となると事情は大きく違ってきます。化学薬品の中には金属材料を侵食して、孔をあけたり、ひびを生じさせたりして外部に洩れ出てしまうものがあります。

「ケミカルポンプ」というのは文字通り、化学薬液を移送することを得意としているポンプですから、その接液材料は、割れたり、溶けたり、孔があいたりしてはいけません。
接液部分に「どんな素材を使うか」の選定は、取り扱う液体ごとに慎重に決定する必要があるということで、そのためのキーポイントが「耐食性」なのです。
薬液のイメージ写真

耐食性について

では、「耐食性」とはなんでしょう?

「耐食性」とは腐食に耐える性能であり、ポンプの素材は、取り扱う液がどんな条件でその材料を溶かしたり、亀裂を起こさせるかの度合いに応じて選ばなければなりません。

ポンプの本体材質が金属の場合、普通の水が真鍮や鋳鉄やステンレスを急激に腐食させることはありません。

ただし、鋳鉄などは長時間水に晒しておくと、酸化還元反応により鉄表面が電子を失ってイオン化し、鉄表面から脱落していくことで錆びが進行します。

ご存じのように、酸素や水のあるところに鉄を放置すると錆が生じますよね。
河川や海洋構造物のうち、最も錆びやすい部位は、水面の部分であると言われています。大気と水が同時に存在するからです。やがて錆びが進行すると表面が侵食され、薄くなって機械的強度を保てなくなり、亀裂や破損が起こります。
ポンプ材料として使用していた場合、液洩れの原因となります。
工場内の錆びた大型のタンク

錆びにくい材料として開発されたステンレスも万能ではなく、アルカリ液(pH7以上)に対しては問題がありませんが、硫酸や塩酸などの濃度が濃い場合(pH7以下)は腐食することがあります。

酸性・中性・アルカリ性のpH表

そして液体の温度にも耐食性は影響を受けます。化学液の濃度が濃く、液温が高い場合は腐食性が強くなり、注意が必要です。

ポンプの素材を研究し50数年…その成果を今!

イワキはさまざまな薬液に対する素材の耐食性を50数年に渡り研究し、ケミカルポンプを提供し続けてきました。社内には、独自の「耐食表」も保有しており、研究結果で得た豊富な耐食データーを駆使して、その液体にぴったりのポンプを選定することが可能です。

たとえば、樹脂は成型しやすく、加工も容易で、強度と軽さも兼ね備えています。また安価な樹脂の場合は大量生産にも向いており、コスト低減も可能です。樹脂の中でも最も耐食性に優れている「フッ素樹脂」を多く採用しているのもイワキの特長です。

PTFE や ETFE など四フッ化樹脂はきわめて高い耐食性を示し、長年に亘り各分野に実績を残してきました。最近では半導体や液晶製造などの分野において、化学薬液の高温化による反応速度の増加に伴う耐食性に関して、市場の要求は年々厳しくなっています。

一言で「ポンプ」と言っても、問題なのは「何に使うか?」という部分なのですね。ポンプ、奥深し!

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