このコーナーでは、ポンプにまつわる様々な「気になる」キーワードにスポットを当てて、イワキならではのノウハウで、楽しく解説していくことを目指しています。

今回のキーワードは>>>>> ズバリ!【マグネット駆動方式 ~液漏れしないポンプの仕組み~】

イワキは「化学薬液」を移送することを得意分野とするポンプメーカーであることは前回もお話しましたが、「化学薬液」を移送する以上、「液漏れしない」ことが絶対条件です。

そこで今回は「液漏れしない仕組み」にフォーカスしてポンプをみていきたいと思いますが、キーワードは「マグネット駆動」!

イワキでは、渦巻きポンプをはじめ、ギヤーポンプ、カスケードポンプなどに「マグネット駆動」を採用しています。

マグネット駆動とは?

ポンプは一般的に、ポンプ部とモータとの接続部分に軸シールが必要ですが、「マグネット駆動」方式には軸シールがありません。

そのため、ポンプ室内から外部に液体が漏れ出ることがなく、メカニカルシールやグランドパッキンなどの消耗品も必要ありません。

動力源のモータシャフトとポンプ室内は連続しておらず、ポンプ部への回転力の伝達は、筒状の磁気を帯びた回転子(駆動マグネット)と筒状の磁石を樹脂で包み込んだ羽根車(従動マグネット)を重ね合わせ、同期回転させることによって行われます。

この羽根車(従動マグネット)は、シルクハット帽のような形の「バックケーシング」と呼ばれるケースに入れられ、モータとポンプ部は完全に遮断されます。

もちろん接続部がないので、軸シールは不要になります。液体を吸い込み吐き出す羽根車(インペラ)は、「フロントケーシング」と呼ばれるケースに入れられます。フロントケーシングとバックケーシングの合わせ部には、Oリングを挟み込むことで外部への液体の漏れを防いでいます。

・・・と、文章でご説明するよりも、マグネットポンプの原理をお見せするCG動画をご覧ください。

また、マグネットポンプと同じ原理で実験溶剤を撹拌する「撹拌器の動画」も併せてご覧ください。

 

学生時代を思い出す、ちょっと懐かしい「理科の実験」をお届けしましたが、動画のビーカーをケーシングに、撹拌子をインペラに置き換えていただければ、その原理がおわかりいただけるはずです。
回転子(駆動マグネット)は撹拌器にあります。

以上、マグネット駆動の原理おわかりいただけたでしょうか?

一言で「ポンプ」と言っても、じつは様々な英知の結晶なのです。ポンプ、奥深し!

コラム ~磁石の話~

マグネットポンプは、名前の通り「磁石の力」で動いています。
磁石は身近な生活の中にもいろいろな用途に使用されていますね。

小学校の頃、下敷きの上に公園の砂を載せて、U字型の青と赤で塗られた鉄の棒を下から近づけると、二つの棒の先に砂が集まってきませんでしたか? 集まった砂は「砂鉄」と呼ばれる磁鉄鉱の一部です。

磁石はプラスとマイナスで引き合う力が働きます。磁石を円筒状に加工したものが、ポンプのマグネット部分です。
磁石は「希土類磁石」といわれる永久磁石です。「レアアース」とも呼ばれています。
最近ではこの希土類より磁力の強い、サマリュウムコバルト磁石やネオジム磁石と呼ばれる製品が開発され、その用途は大きく広がってきています。
U字磁石で砂鉄を集めているイラスト

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