ある食品メーカーが、プレーンヨーグルトと果肉ソースを混合し製品を生産。同一生産ラインで果肉ソースのみ変更し、数種の製品を生産していたのですが、いくつかの課題に直面していました……

生産品種切り替え時に必要な、洗浄作業と混合比の調整作業の負担を減らしたい

プレーンヨーグルトと果肉ソースの混合工程において、ギヤポンプ1台を使用して2つの原料を移送・混合していましたが、ギヤの摩耗が早く、頻繁なメンテナンスが必要でした。ポンプ内部で果肉が潰れてしまい食感が損なわれる問題も発生していました。

さらに、生産品種を変える度に、手作業による分解洗浄作業だけでなく減速機の減速比も変更する手間が必要で、作業者への負担は大きくなっていました。減速比の変更だけで、正確にレシピどおりの混合比を調整するのは難しいという課題も抱えていました。

導入前の課題
  • ギヤポンプ1台で2液を移送・混合していたが、ギヤの摩耗が早い
  • ギヤポンプの中で果肉が潰れてしまう
  • 生産品種変更の度に、減速機の調整と手作業による分解洗浄が手間
  • 数種類ある果肉ソースとプレーンヨーグルトの混合比を、正確に調整するのが難しい

インライン混合ユニットが作業効率を向上させ、安全な生産体制を実現

これらの課題を解決するために、CIPポンプを搭載したインライン混合ユニットを導入しました。

ヨーグルトと果肉入りソースの移送用ポンプとして、サニタリーロータリーポンプを採用。スタティックミキサーによるインライン混合を採用することで、ポンプ部品の摩耗がほぼゼロとなり、メンテナンスの頻度が減りました。

また、シングルローターの採用により果肉の潰れを防ぎ、製品の品質が向上。衛生面においても、CIP洗浄に対応したサニタリーロータリーポンプを導入し、洗浄作業の効率が大幅に向上しました。

生産品種を変える度に、手作業での分解洗浄が必要。さらに減速比の変更も必要で、作業者への負担は大きくなっていました。また、減速比の変更だけでは正確にレシピどおりの混合比を調整するのは難しいという課題も抱えていました。

CIP洗浄時に自動三方バルブで流路を切り替えることで、回路全体または果肉ソースラインのみの洗浄も選択できるようになり、衛生管理水準が向上。課題となっていた生産と洗浄の自動化および安定した生産体制を実現し、多品種で高品質な製品の供給が可能となりました。

導入後の成果
  • サニタリーロータリーポンプを使用したインライン混合のため、原料移送によるポンプの部品の摩耗がほぼゼロ
  • 果肉ソース移送用ポンプにはシングルローターを採用し、果肉の潰れを防止
  • CIP洗浄に対応したポンプを採用し、洗浄が自動化
  • タッチパネルを採用し、ボタンひとつで経験の少ない担当者でも多品種生産が可能

2液混合ユニット
構成機器 サニタリーロータリーポンプ WRU、CIPポンプ、スタティックミキサー、PFCユニット、他
移送液体 プレーンヨーグルト、果肉ソース、CIP洗浄剤

本事例では、既存設備の収容スペース内に収まるようにユニットを設計するなど、お客様の要望にきめ細かく対応しました。イワキは、ケミカルポンプと流体制御機器を組み合わせたプラスワンのご提案をいたします。液体移送におけるお困りごとがございましたらお気軽にご相談ください。

サニタリー性を追求した自動洗浄対応構造

サニタリーロータリーポンプ WRU-U2シリーズ
  • 徹底したサニタリー構造と優れたメンテナンス性
  • 高粘度液、軟質固形物を含む液など、さまざまな液体を移送可能

サニタリーロータリーポンプ WRU-U2シリーズ 詳細ページ

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