焼却炉の排煙処理についての問題点

焼却量に応じてアンモニア水の量を調節しながら噴霧したい

排煙処理として、脱硝(アンモニア水を用いて窒素酸化物(Nox)を中和させる方法)を採用。当初は往復動ポンプで試行していました。

渦巻きポンプは、この施設では流量も多過ぎることで過剰性能となり、コストが合わずに選定の対象外となりました。

そこで高揚程の往復動ポンプと、脈動低減用のエアーチャンバを併用しましたが、脈動を吸収しきれずに高温と流量低下のタイミングでノズルが詰まってしまいました。そのため希釈アンモニア水の噴霧分布が偏り、脱硝効率が低下。定期的にノズルの交換が必要となるため、往復動ポンプも実用的ではありませんでした。

適切なNOx除去を行うために、焼却量に応じてアンモニア水の注入量を適切にコントロールできるシステムが必要でした。

導入前の課題
  • アンモニア水を液漏れすることなく安全に移送したい
  • 噴霧ノズルが目詰まりを起こさない吐出圧力が必要
  • 焼却量に応じて適切にアンモニア水の噴霧量と希釈濃度を調節したい

ケミカルギヤポンプを流量制御することで解決

マグネット駆動のケミカルギヤポンプを導入した結果、液漏れや異臭も漏れる心配がなくアンモニア水を移送できるようになりました。さらに脈動なく高圧で移送できるため、アンモニア水噴霧ノズルの目詰まりがなくなり、保守の手間を大幅に削減できました。

また、希釈水の流量を自動で演算する機能も搭載。アンモニア水の流量と希釈濃度を設定するだけで、簡単に希釈濃度を調節できるシステムを構築しました。

追加のメリットとして、ユニットで納入することにより、設置工事や立ち上がり期間が短縮され、施設側の負担を軽減できました。

導入後の成果
  • マグネット駆動のギヤポンプでアンモニア水を漏れなく安全に移送
  • 十分な吐出圧力と脈動のない移送で、噴霧ノズルの目詰まりをなくし保守の手間を削減
  • 簡単に希釈濃度が調節でき効率的な運用が可能
  • 設置工事・立上がり期間を短縮

アンモニア濃度調節装置
構成機器 シールレスケミカルギヤポンプ GM・ケミカルギヤポンプGX、PFCユニット、他
移送液体 アンモニア水、希釈水

イワキのケミカルポンプとシステム製品は、様々な分野で多くの実績があります。液体移送におけるお困りごとがございましたらお気軽にご相談ください。

ファインセラミックスギヤが耐摩耗性と耐薬品性を向上

ケミカルギヤポンプ Gリーズ

• グランド・メカニカルシールタイプのGX型
• マグネット駆動でシールレスタイプのGM型
• セラミックス製ギヤの採用により高圧時でも吐出量ダウンが少ない
• 脈動のない静かな送液

ケミカルギヤポンプ GMシリーズ 詳細ページ

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