イワキのベストパートナーYTS社。これまで山田社長→技術の村田様→生産の寺井様とバトンをつないで参りましたが、YTS四天王のしんがりをつとめるのは、【営業】の要、執行役員営業部長 浅見清志(あさみきよし)様と次世代の要、仲摩勇人(なかまはやと)様。

お二人ともエアー駆動ダイヤフラムポンプ担当で、「部長」と「課長」の間柄でもあります。営業部はイワキと最も距離が近い部署であり、国内営業ではイワキと一心同体といっても過言ではありません。営業畑ならではのお話を、たくさん聞かせていただきましょう!

── 国内販売に関しては、のちほどゆっくりお聞かせいただくとして、まずは海外展開について教えていただけますか?

浅見「海外については、担当の仲摩からお話しします」

仲摩「海外も国内同様、代理店を通しての販売のみで、直販はしていません。現在、世界31社の代理店と契約をしております。その中にはイワキアメリカ様やイワキ中国様もいらっしゃいます。いつもありがとうございます!」

YTSは2013年から本格的に海外進出に取り組みました。本社のある四街道工場に海外マーケティング部を設立し、その翌2014年の1月にオランダに合弁会社を設立、同年10月にインド駐在員営業所を設立しました。以後、ヨーロッパをはじめ、アメリカ、ロシア、トルコ及び中東諸国、などにも精力的に販売網を広げています。その一環として、3年に一度、ドイツ、フランクフルトで開催される流体移送業界の世界最大規模の化学技術展「ACHEMA(アヘマ)」に出展したことがあります。

── 海外事業はコロナ禍の影響はなかったのですか?

仲摩「いやー、ありましたよ。コロナがなければ、今頃は世界各地に飛んで販売促進に励んでおりました。やはりなかなか現地に行けない場所もありますので」

── たとえばどのあたりですか? 差し支えなければ・・・

仲摩「一番行きたかったのはアフリカですね。でも世の中が落ち着いたら、必ず実現させます」

なんとアフリカ! 意外な地名が出てきて少し驚きました。しかし「行けないからできない」では終わらないのがYTS。なんとか工夫をしてお客様とコミュニケーションを取り、お困りごとを解決したり、お役に立てる方法はないものか考えました。

仲摩「今は日々の対応をリモートで行っています。代理店の方々には、ポンプの知識を深めてもらうためのリモート講習会など、初めての試みにチャレンジしています」

そのため、営業部隊には一人1台のノートパソコンを支給し、テレワークの環境を整えるところから始めたそうです。

仲摩「正直、未だに戸惑うこともいろいろありますが、こちらができないでは話にならないので、まずはできるようになろうと。アプリの使い方や環境の整え方など、独学で汗かきながらやっています」

素晴らしい! ここにも新しいことに果敢にチャレンジするYTS魂を見た気がしました。

── では、国内営業についてお聞かせください。イワキとのパートナーシップについてどうお考えか、愛のあるダメ出しも含め、ざっくばらんにお願いします。

浅見「国内販売は100%、イワキさんにお任せしています。先代の社長からのお付き合いですから、かれこれ40年以上になるのでしょうか。初めにお伝えしたいのは、今、こうしてYTSがあるのはイワキさんのおかげです。感謝しかありません」

パートナーシップ、協業。仕事を進める上で他社とタッグを組んで進めることは、今の世の中、珍しいことではありません。得意分野を伸ばし、弱点を補い合える素晴らしい関係性だと思います。

浅見「上り調子、うまくいっている時はお互いに良い関係が続きますが、悪くなってくるとその関係性を維持するのは、なかなか難しいのが世の常ですよね。でも、イワキさんは違います。良い時はもちろんですが、悪い時こそ支えてくれる。寄り添って力を与えてくれるんです」

浅見「まぁ、うちの製品を販売しているのがイワキさんですので、逃げることもできないし、仕方なくかもしれませんけれど(笑)、トラブルが起こった時はイワキの営業の方はもちろん、代理店の方々も協力してコトを収めてくれるんです」

有事の時にどう動くか。その対応力こそが、人の深みであり、その会社の底力でもあります。

浅見「困難をともに乗り越えた経験は、人との繋がりを密にします。今の時代むしろ密を避ける傾向にありますが、すべては人ですね。ありがたいことにトラブルを解決したことでエンドユーザーのお客様と関係も良くなって、絆が深まるとでもいうのでしょうか。うちのポンプを愛して、ずっと長く使ってくださるんです。そうやってイワキさんには本当にたくさん助けていただきました」

── 凹んでいるときこそ味方になってくれる 存在って、本当にありがたいですね。浅見さんご自身はどのようなご経験をされてきたんですか?

浅見「以前は営業が私含めて二人しかおりませんでしたから、イワキの営業の方が私の上司のようでした。実際にPL法ができるまで、イワキの名刺を持って動いていた時期がありましたから。酒を酌み交わしながら『バカヤロー!』と、何度お叱りをいただいたことか(笑)でも、言葉は荒いですが、ものすごく愛を感じるんです。まさに愛の鞭です」

YTSを担当した初代イワキの営業は、社内でも一目置かれる名物社員でありました。1回目の山田社長のお話にも出てきた「三万部 チラシを刷って、その一枚を受け取った」張本人です。YTSの技術にピン!ときて、そこからイワキとYTSの二人三脚が始まりました。

浅見「『そんなんじゃダメだぞ』と、数え切れないほどたくさん叱って育てていただきました。この受けた御恩を次の世代に伝えるのも、営業としての私の役目だと思っています。ですから今、YTS社内はもちろん、イワキの若い方たちにもお伝えしようと努力しています」

── 素晴らしい! まさに「恩送り」ですね。

浅見「そう、恩送りですね。イワキの専務さんからOKもらっているので、遠慮なくやらせてもらっています。鬱陶しいとは思いますが(笑)逆に若い人に『え?そうやって考えるんだ!』と、教えてもらうことも多くて・・・。時代は変わり、営業のやり方も変わりますから、日々学びです」

確かに時代は進み、世の中は変わり、会社の中でも世代交代がはじまっています。でも、いくら変化しても変わらないもの。それが「コミュニケーション能力」だと、浅見さんはいいます。

浅見「やっぱり本音を言い合えてこそのパートナーです。悪いところは悪いと、歯に衣着せずにズバッと言う。正直、心が折れそうになったこともありましたが、どうやったらそれを解決できるか? 言われた言葉をエネルギーに変えて、ものづくりに活かしてきました。言ってくれないイワキさんになったら逆に怖いので、時代は変わってもそこは変えずにこれからもビシビシお願いします」

── 素敵な関係ですね。とはいえ、国内もコロナの影響で、なかなかコミュニケーションがとりづらくなっているのではないですか?

仲摩「そうですね。行けるところは万全の感染対策をしながらご訪問させていただいていますが、お客様の中には『いや、来なくていいから』という方もいらっしゃいます。その場合はリモート対応に切り替えています」

── 国内でもノートパソコンとリモートスキルが役立っていますね。

仲摩「はい。それとイワキの営業からの発案なのですが、今このコロナで訪問できなかった時間を利用して、新しい資料を作り、毎月販促ニュースとして配布を始めています」

毎月販促ニュース

その資料はバラエティに富んでいて、ポンプの使い方やオプションの提案、問題解決への手引きなど、エンドユーザー向け、代理店向け、イワキの社内向けと、さまざまな視点からまとめ上げたそうです。

仲摩「これで直接訪問できなくても、『プラスワン営業』ができるようになりました!」

浅見「時代ですね〜」

リモート対応を始めた時のように、ここでも「行けないからできない」ではなく、行けない時間を利用して新しい取り組みを始められたのですね。YTSはどこまでも探究心旺盛で、前向きな会社ですね。

── では、最後に一言。営業の極意を。

浅見「まずは製品の知識を深めること。お客様はいろんな情報を求めていますから、こちらから『こんなことができますよ』と、どんどん提案して欲しいです。すると『じゃあ、これはできる?』とお客様から質問が出て、話が広がるのです。イワキの営業の方はとても勉強熱心で、うちの営業よりもうちの製品に詳しい方もいっぱいいらっしゃいますから、この知識を武器に、どんどん『横展開』していただきたいです」

浅見「それと、もっと人を好きになることですね。まずは興味を持つこと」

たとえ仕事の相手でもあっても、その人がどんな性格で、何が好きなのか、そんな風に見ていけば、その方のいろんな顔が見えてくるはずです。たとえば、お客様がお酒と車が好きな人だったら、まずはその話題から入る。自然に話が盛り上がり、心の扉が開きやすくなります。

浅見「私なんか、車の話1時間、仕事の話10分、なんてことはザラでした。仕事も人。人を好きになれば仕事も好きになる。それが営業の極意、ですかね」

── ありがとうございます! 心温まる素敵なお話をありがとうございました!

次回はいよいよ、イワ気になる隊の工場見学レポート編をお届けします。お楽しみに。

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