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イワ気になるチャンネル
製品開発の裏話をお届けするこのコーナー。今回は、リニアポンプLRシリーズをご紹介します。
昨年11月にイワキは、新製品の「リニアポンプ LRシリーズ」を発売しました。
今までのイワキの製品にはない繊細なデザインに、メルマガ編集部こと「イワ気になる隊」は大注目。早速リニアポンプの開発者、設計部の砂川さんにお話しを伺いました。
── 早速ですがリニアポンプとは、どのようなポンプですか?
「イワキリニアポンプ “LR” は、特長として静音、無脈動、連続流を可能にしたポンプです。非常に精度の高い送液性と広い制御範囲から、フロー精密合成・医薬・研究・食品・環境分析など、さまざまな場面で幅広い用途に活躍することを期待しています。
リニアポンプは、新開発のリニアアクチュエータを駆動部に採用しています。今日はポンプを用意しましたので、実際に運転してみましょう。
ご覧のとおり、音が静かで、脈動のない連続送液ができます」
── 確かに運転音がほとんど聞こえませんね。ノズルから出ている水も、均一で線のように見えて無脈動で送液されているのがよくわかります。他にも特長がありますか?
「1台で0.01〜100mL/minまで流量を制御できます。イワキのポンプの中では一番の制御比になりますね。この一台があればラボの複数人で共有して、それぞれの用途で使うこともできます。
ご覧いただいているとおり、コンパクトなのでラボ内の持ち運びも簡単です」
── それでは、どのような分野に向けたポンプなのでしょうか。
「主にラボ用に開発されたポンプですので、製薬会社、各種研究用途、化学液市場、食品市場等幅広くご利用いただけます。具体的な用途例としては、医療品やファインケミカルの製造方法の一つであるフロー精密合成分野ですね。
実はイワキは『フロー精密合成コンソーシアム』に加入していまして、産官学連携での共同研究に参加しています。フロー精密合成は安全性が高く環境負担を低減できるため、SDGsの達成に貢献できる化学合成技術として、技術開発が進められています」
── 様々な分野で活躍しそうなポンプなんですね。開発のきっかけになったことはありますか。
「電磁駆動ポンプのソレノイドを効率化できないかという声から研究開発が始まりました。今までのソレノイドには、『駆動時に音が発生する』『発熱がある』といった改善したいテーマがありました。
簡単に説明すると、ソレノイドとは「電磁石で鉄芯を引き寄せる」、「スプリングで鉄芯を離す」動作を繰り返すしくみです。
鉄芯を往復動させる構造ですので、運転時には鉄芯が部品にぶつかる音が発生します。それに、電磁石のコイルは電気抵抗によりどうしても発熱してしまいます。
こうした課題を追求していく過程で、ソレノイドとは異なる『リニアアクチュエータ』という独自の駆動ユニットの研究開発を始めました。
しばらく試行錯誤を繰り返しましたが、電磁駆動ポンプのソレノイドに比べて、効率が大幅に向上した「リニアアクチュエータ」が完成しました。
── イワキ独自の駆動ユニット「リニアアクチュエータ」の誕生ですね。
「はい。アクチュエータが完成したので、次はその特長を活かしたポンプの製品化を目指し、プロジェクトチームを結成することになりました。
プロジェクトメンバー全員、「今までのイワキになかったポンプを作りたい!」という意気込みがあったので、産業機器としてのポンプではなく、ラボ用の精密ポンプとして使用されることを前提に開発を進めました」
── 外観は特に今までのイワキ製品にないデザインが感じられますね。
「実はこの形になるまで、試作品を何個も作りました。初期の試作品は横型で、設置場所が限られているラボスペースにマッチしていなかったんですよね。
ですので、その頃から実際にラボで使用してもらう方法を取りました。貴重な現場の声を聞くことができ、問題点を改善してデザインを煮詰めていくことができました。
通常、ポンプの多くは、ポンプ部や接続部が前面に付いているのですが、このポンプはあえて上面に配置しました。これにはもちろん理由があります。
まず、ラボではポンプを実験テーブルに置いて作業するんですね。それに、ポンプ部やバルブを頻繁に洗浄して配管作業を行う必要があります。
実際の使い方を想定して、『ポンプ部が上面にあるほうが作業しやすい』とプロジェクトチーム内で考えていくようになったんです。
設置面積の少ない縦型のデザインにしたり、操作パネルもやや上を向くようにしたり、常にラボでのユーザビリティを意識したデザインにこだわりました」
── では最後に、リニアポンプの今後の展開や目標などについて教えてください。
「常にお客様からのご意見やご要望に耳を傾け、機能の向上やより良い製品の開発に取り組んでいきたいと思います」
── 製品の実演を交えてお話を聞けて大変勉強になりました。ありがとうございます。
以上、「イワ気になる隊」がお届けしました!
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