イワキ創業40周年の社史をもとに、イワキの歴史を紐解いていくこのコーナー。文字通り「ポンプに賭けた」男たちの熱いドラマを、お伝えしていきます。

イワキ、さらなる快進撃のはじまり

1964(昭和39)年以降、イワキの躍進ぶりは、だんだんと業界から注目を集めるようになりました。
全国に販売網を持つケミカルポンプ―メーカーへの飛躍を目指し、

「将来明るいケミカルポンプ業界で、イワキとパートナーシップを組みませんか!?」

「イワキとともにケミカルポンプのパイオニアとなりましょう!」

と、熱い営業を重ねた結果、少しずつ代理店が増え、販売網を広げつつあったのです。

イワキのような生産財メーカーが発展するためには、「よい製品をつくること」と、そして「その製品が時代に合っていること」が必須。幸いなことに、イワキのケミカルポンプは、この条件を両方とも満たしていました。そして、その条件をさらにカバーしたのが、販売網拡大作戦だったというわけです。

イワキは、時代をにらんだ商品開発と、それに合わせた販売網の充実によって、戦後の「高度成長期」と言われた産業の発展に歩みをそろえて成長していくことができました。それを支えた代表的な製品のひとつが、当時のイワキのトップシェアを誇る「自動現像機向けのケミカルポンプ」でした。

イワキオリジナル「写真自動現像機向けケミカルポンプ」誕生

自動現像機向けケミカルポンプのスタートは、ラボポンプ「LP-1」の販売を急速に伸ばしたジュース自販機のブームが終わって一年ほど後のことでした。話の発端は、S社からの引き合いでした。写真を現像するには何種類かの薬品にフィルムを通すわけですが、この薬品を送るポンプを、従来の横型ではなく縦型にしたいというのが依頼内容でした。

それまで使っていた横型のポンプはメカニカルシールを使用していて、使用環境によっては薬品の結晶等の作用で液洩れが発生することがあったのです。縦型のポンプは薬品タンクの上部に設置するため、たとえ液洩れが発生しても周りに影響を与えません。多少装置をコンパクトにする相乗効果もあったようです。

いくどかの技術的なやり取りがあった後、イワキのポンプが採用されることに決まりました。自動現像機に使用されるポンプは、横型から縦型へと変化し、さらに完全に液洩れを解消したマグネットポンプヘと斬新に改良されていったのです。

その当時、自動現像機1台あたりに装着されたケミカルポンプは、縦型ポンプVLP型と補充ポンプKB型の2種類でした。これらが小型装置で数台、大型になれば十数台使われるわけですから、かなり大規模な市場が見込まれます。

縦型ポンプVLP型

補充ポンプKB型

当時の世界フィルムメーカー業界でのトップは、何と言ってもイーストマン・コダック社でしたが、90%以上のシェアを独占し、技術面でもリーダー格。そのコダックを他の多くのフィルムメーカーが追いかけるかたちで、自動現像機の市場も技術も、どんどん伸びていった時代の話です。
イワキはさっそく得意の「ルートセールス」で、他の自動現像機メーカーヘと販売攻勢をかけていくわけですが・・・

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