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ポンプに賭けた男たち
残された社史に基づき、イワキの歴史を紐解いていくこのコーナー。
文字通り「ポンプに賭けた」男たちの熱いドラマを、お伝えしていきます。
前回は初代のアメリカ駐在員事務所長を務めた板東が毎日「自転車」で不動産屋を回り、住居兼事務所になる場所を探した頃のお話をしましたが、その駐在員事務所設立に前後して、イワキにとってたいへんな事態が持ち上がっていたのです。じつは、最も重要なマグネットポンプの総代理店が身売りされてしまっていたのです。おまけに、その総代理店にいたベテラン営業マン数人がライバル会社に引き抜かれてしまうという事態が起こっていたのでした。
アメリカの企業では、マネジャーの持たされる権限が大きいものです。ケミカルポンプの販売方針でも、マネジャーが承知すればそれで通るようなところがありました。どこかの国と違い、会社全体で会議にかけるようなことはまずないのです。 話が早くてありがたいのですが、その一方、マネジャーが変わったことで、せっかく決めた方針が白紙になってしまうということもありました。
これまで、イワキがアメリカ市場でほとんどゼロから始め、やっとここまでに育てたものが、マグネットポンプに関しては土台から崩れてしまったわけですから、板東の受けたショックは想像以上に大きかった・・・そして「イワキのアメリカ市場での販売対策を立て直すこと!」というミッションが、アメリカ駐在員事務所の最初の仕事となりました。
当時のマグネットポンプの最も大きな市場は、自動現像機のOEMでした。街中にミニラボが急速に広がった時代でした。
しかし、同時に日本製品がどんどん入り込んでいくために、「アンチジャパン」のムードも出はじめていました。そんな中で、板東は必死に戦ったのです! その甲斐あって、次々にイワキの地区代理店が決まっていきました。
この続きは次号のお楽しみということで。
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