残された社史に基づき、イワキの歴史を紐解いていくこのコーナー。
文字通り「ポンプに賭けた」男たちの熱いドラマを、お伝えしていきます。

いよいよ舞台は東南アジアへ

前回はアメリカ市場での販売体制の立て直しについてお話しましたが、円高ショックで一度は業績が落ち込んだものの、1988年頃にはなんとか回復の兆しを見せ、再び売上げを上昇気流に乗せることができました。イワキのポンプは、新たにパートナーシップを組んだ地区代理店を通して全米各地へと順調に供給されるようになっていき、一安心といったところでした。

そして次にイワキの海外戦略は「東南アジア」へと進路をとることになります。この頃、東南アジア市場では売上げが伸び悩んでいました。シンガポールの代理店は10年来の付き合いでしたが、これだけの市場があるのに伸びないのは彼らの営業不足ではないかという社内での見方があったのも事実。しかし、そこに素晴らしい営業マンが彗星のごとく現れ状況は一変したのです。正直なところ、あと1年待って売上げが伸びなければシンガポールの代理店とは手を切ろうという考えもあったのですが、彼の活躍で代理店の売上げはぐんぐんと伸びていきました。彼の性格がイワキの販売戦略に合っていたのでしょう。それから数年後、彼は代理店を退社し、イワキはその彼を迎えて合弁会社を設立することになったのでした。

第29話イメージ画像

シンガポールに合弁会社設立

こうして1989年(平成元年)、イワキシンガポールの設立と相成りました。そして予想通り初年度を好決算で終えることができ、このイワキシンガポールの成功をきっかけに、再びイワキは、世界を目指して走り始めることになります。

シンガポールと同時期にスタートしたマレーシアに続き、1990年(平成2年)には、台湾、イタリアの2カ国。続いて1991年(平成3年)に、アメリカ、タイ、オーストラリア。1992年(平成4年)には、デンマーク、香港。とりわけアメリカでは、長年代理店として協力してくれたウォルケム社との合弁会社を設立し、新市場となった半導体産業の爆発的な発展にガッチリと食いついて成長を続けていきました。そして、1993年(平成5年)には、スイス、フランス、イギリス、スウェーデン。さらに1995年(平成7年)には、フィンランドと、海外の合弁会社はたった7年のうちに世界中に拡がっていったのです。

この続きは次号のお楽しみということで。

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