残された社史に基づき、イワキの歴史を紐解いていくこのコーナー。
文字通り「ポンプに賭けた」男たちの熱いドラマを、お伝えしていきます。

ポンプコントロールシステム・PFC開発成功までの道のり

前回は、イワキがコントローラ付きの「電磁定量ポンプ」の開発に成功したあたりまでのお話をしました。この機能をポンプ内に取り込んだのは、世界でもイワキが初めてのこと。そして、この電子回路制御の技術が、1980年代のポンプコントロールシステムにつながっていったのです。

1980(昭和55)年頃から、日本の産業界には、モータの回転数を手軽に可変できる「汎用インバータ」が急速に普及し始めました。そして、各設備メーカーや機械メーカーは、次々とベルトコンベアーやエレベーターなどにこれを応用していったのです。

この時流を見逃す手はありません。われわれイワキも、この「汎用インバータ」を回転式ポンプの制御システムに応用しようと、直ちに開発を開始しました。そこで大いに役立ったのが、長年研究を続けてきた電子回路の制御技術なのです。

流量センサ、圧カセンサの出力信号により、ポンプの回転をインバータで可変し、流量制御や圧力制御を行うポンプコントロールシステム(PFC)の開発成功への道のりは、正直なところ、さしたる苦労をしたという感覚はありませんでした。

ポンプコントロールシステム PFCのテスト

イワキ流「かゆい所に手が届く」規模のシステムとは!?

しかし、この開発が市場にもたらす影響は、想像以上に大きなものでした。いわば、ケミカルポンプに「エレクトロニクス技術」の付加価値がついたわけです。当時としては最先端の技術をポンプと共に社会に提供したことで、イワキのメカトロニクス企業を目指した体制づくりは、ここでついに実を結ぶこととなりました。

このPFCの提供先として、われわれがいち早くターゲットにしたのは、「部分的」にこのような制御システムを必要とする工場でした。工場全体として、集中制御システムを採用するほどの規模ではないものの「部分的な制御システムがあったらいいな」と思っている工場や、生産ラインの最終段階にある「検査装置をなんとか自動化できないか」と考えている企業とは、最適なパートナーシップを組むことができたのです。

マーケット全体から見れば、一種の隙間ビジネスのようなものですが、こうしてイワキは徐々に周辺機器の充実を図り、まさに“かゆい所に手が届く”規模のシステムを、次々と提供していきました。言い方を変えれば「ユーザーが本当に必要としているものは何か」をわれわれがうまく捉えた結果でもあったわけです。

その結果、イワキには特殊ポンプの開発依頼案件などが持ち込まれるようになっていったのですが・・・気になるこの続きは次号のお楽しみということで。

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