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分野別ソリューション / 化学分野
化学メーカーが抱えていた原料撹拌と塗工の課題とは……
粘着テープ用接着剤の生産において、いくつかの課題がありました。接着剤は、エマルジョン(樹脂や天然ゴムの分散液)とトルエン(溶剤)を撹拌して薄めることで、テープに塗布しやすくなります。ですが、これらを手作業で製造していたため、品質にバラつきが生じることがありました。
多品種少量生産が必要な製造ラインなので、粘着度の異なるテープを生産するためには、エマルジョンとトルエンの混合比率を製品ごとに調整する必要がありますが、そのたびに手作業で薄めていたので、なかなか品質が安定しませんでした。特にトルエンは常温で揮発しやすく、引火性のある劇物です。そのため、作業者が安全に作業できる環境を整える必要がありました。
次の塗布工程ではロールコータを使用しており、生産スピードはロールの回転速度によって変更されていました。ロールの回転速度により、接着剤の持ち出し量が変化するため、接着剤の液槽のレベルが変動。手作業で接着剤の供給レベルを維持することは難しく、「フィルムの膜圧が安定しない=製品の品質不良=歩留まりが悪い」という問題も抱えていました。
これらの課題を解決するために、「2液混合装置」を導入しました。エマルジョン(約4,000mPa·s)の移送には、定量性に優れ高粘度液を移送できる「サニタリーロータリーポンプ」を採用。また、トルエン(20℃で0.59mPa·s)の移送には、低粘度液を無脈動で定量移送できる「ケミカルギヤポンプ」を使用しています。流量計は、エマルジョン用に電磁式、トルエン用には容積式を採用しました。さらに、装置の構成機器をすべて防爆仕様にすることで、安全な作業環境を確保しました。
エマルジョンとトルエンの混合比率と撹拌が自動化されることで、連続生産が可能になり、危険な手作業を排除。さらに、製品ごとに異なる混合比率を制御盤のタッチパネルで簡単に設定できるようになり、接着品質の再現性が向上しました。
また、ロールコータの接着剤の液槽には超音波式レベル計を設置し、液槽のレベルに応じてポンプの運転速度も自動制御。生産スピードが変化しても、接着剤の膜厚が安定し、塗工品質の向上も実現しました。
構成機器 | サニタリーロータリーポンプ WRU・ケミカルギヤポンプ GX・PFCユニット、他 |
移送液体 | トルエン、エマルジョン(接着剤原料) |
イワキは、ケミカルポンプと流体制御機器を組み合わせたプラスワンのご提案をいたします。液体移送におけるお困りごとがございましたらお気軽にご相談ください。
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