2021年7月7日(水)~7月9日(金)、兵庫県神戸市で開催された「第48回日本毒性学会学術年会」に、展示参加をさせていただきました。「なぜイワキが毒性学会に?」と、首をかしげた方も多いのではないでしょうか。

今回はそのあたりの関係も含め、技術本部の水越さんにレポートをお願いしました。それでは水越さん、よろしくお願いいたしまーす(^O^)/

リアルとオンラインのハイブリッド開催

みなさま、はじめまして。技術本部の水越です。いつものブログのようにはいかないかもしれませんが、私なりにお伝えしてみたいと思います。あいにく会期中は、大雨警報が出るほどの悪天候で、ほぼ雨に見舞われました。

会期2日目に埼玉から来た技術部員は、東海地方の大雨により新幹線が動かず、車内で約1時間待機することになってしまいました。

学会は、神戸港沖に建設された人工島、ポートアイランドにある神戸国際会議場で開催されました。最寄り駅は、神戸新交通ポートアイランド線(ポートライナー)市民広場駅で、駅から会場までは回廊で直結しており、雨に濡れずに移動できました。

今回は新型コロナウイルスの感染拡大防止を鑑み、ハイブリッドで開催(オンライン同時開催)されましたので、聴講のみならず、オンライン上で発表される方もいらしたため、会場には例年のような人の賑わいはありませんでした。しかしながら、Webを介し、発表や質疑が活発に行われていたことから、かなり注目度の高い研究分野であることがわかります。

さらに、例年とは異なり、新型コロナウイルス関連の発表が多く、「mRNAワクチン」、「パンデミック」などのワードが目についた学会となりました。

ブースと出展製品

イワキは、受付からメイン会場となる第一会場に続く通路脇に、展示スペースをいただきました。往来する人の目に留まる最高の位置ということもあり、多くの方が足を止めてくださいましたこと、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

さて、イワキには、「イワキアクアティック」という水生生物の維持管理に特化したグローバルブランドがあります。今回はその「イワキアクアティック」として、初の出展となりました。

展示のメインとなったのは、新製品の「小型魚類集合水槽システム LAbREED® ITS-Z型」。様々な研究分野でお役に立つべく開発した製品ですが、手前味噌ながら、主要機器には高品質のイワキ製品を搭載しており、モデル動物を安定して効率よく飼育管理するために最適なシステムとして、自信を持っておすすめしています。

[IWAKI AQUATIC] LAbREED® ITS-Z型 ゼブラフィッシュシステム

新たに登場した「ITS-Z型」の大きな特長は、なんといってもこの二点です。

  1. 水槽に溜まるごみなどの排出効率を考慮した新しい構造の水槽を搭載しており、水槽洗浄にかかる工数を削減。
  2. ハイスペックコントローラの搭載と、自社開発ソフトウェアにより、インターネット環境があれば、リモートで水質を確認したり、搭載機器をON-OFFしたりすることが可能。

既存のLAbREED®製品と同様、研究用途や生体の種類に応じて、柔軟なカスタマイズが可能で、専門のスタッフによるアフターサービスも充実しています。

イワキと「毒性学会」の気になる関係

それにしても、なぜイワキが「毒性学会」に出展するのでしょうか・・・素朴な疑問を持たれた方も多いと思います。実は、われわれイワキはケミカルポンプのプロとして、持てる技術を多方面へ活かしているのであります。

イワキの「小型魚類集合水槽システム LAbREED®」は、ケミカルポンプやシステム機器の技術をベースとしたシステムで、研究用の小型魚類(ゼブラフィッシュやメダカ)の維持・管理も支えているのです。

小型魚類を利用する研究のひとつが毒性学です。小型魚類は人間と同じ脊椎動物なのでヒトのモデルとなり得ます。私たちが日常的に利用する医薬品、化粧品、食料品などの安全性などを小型魚類で評価し、ヒトの体に入ったときに害にならないか検証されています。

このような背景があり、今回、「LAbREED®」のさらなる認知のため、日本毒性学会に出展させていただきました。

画像上:ゼブラフィッシュ、下:メダカ

これからもイワキは、水をコントロールする技術、魚を飼育するノウハウを提供することで、人々の健康を守る研究に寄与し、社会課題の解決の一助となっていければと考えております。このレポートで、イワキの“別の横顔”を知っていただけたなら、嬉しい限りです。

 

日本毒性学会について

日本毒性学会

日本毒性学会は、毒性学の研究の発展を図ることを目的とし、学術集会の開催や人材教育および資格認定などの事業を行う会。会員は、会誌及び学術集会に研究成果を発表したり、学会が行う事業に参加したりできる。
本年度(2021年)のテーマは、『Beyond the crisis:生命の存続に貢献する毒性学』で、本テーマには、2つの意味が込められている。
1つは、世界規模の緊急事態に対し、グローバルに英知を結集することで、早期にこの問題を解決する。世界のトキシコロジスト(毒物学者)と連携し、1日でも早く、治療薬やワクチンを創出することが、毒性学に期待される使命である。
もう1つは、「健康寿命延伸に貢献する」毒性学の意。私たちは、日常生活で多くの化学物質に曝露されており、この複合的な影響について議論する。

毒性学とは

毒性学とは、医薬品や化学物質がヒトの体内に取り込まれ、吸収、代謝、排泄などをする過程で引き起される、生体にとって不都合な有害反応(毒性)を明らかにし、生じた毒性の発現機構を解明する学問分野。 日常生活にあふれる化学物質、とりわけ、医薬品、食品、飲料、農薬、金属、化粧品など、多岐にわたる化学物質が対象であり、動物における毒性試験や、動物実験代替法で得られる毒性を明らかにし、ヒトへの安全性評価を行う科学でもある。

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