ポンプなるほど(第3回)【ポンプの分類】

このコーナーでは、ポンプにまつわる様々な「気になる」キーワードにスポットを当てて、イワキならではのノウハウで、楽しく解説していくことを目指しています。

9月のキーワードは>>>>> ズバリ!【ポンプの分類】

皆さんは「ポンプ」と言ったら、まずどんな形を思い浮かべるでしょうか?

灯油を汲み出すポンプ? 熱帯魚水槽の中で、サメの口から空気をボコボコ出しているエアーポンプ? それとも、ご年配の方で田舎に育った人は、井戸の汲み上げポンプを思い浮かべるでしょうか?

このコーナーの初回では「ポンプにはいろいろな種類があります」とご紹介しましたが、ここでもう一度思い出してください。今回は、その様々なポンプを、スカッと「分類」してみたいと思います。

井戸のポンプは、手を上下に動かすことにより、吸込み管を負圧状態(大気圧より低い圧力)にし、大気圧を利用して地下水を汲み上げています。このようなポンプを「往復動ポンプ」といいます。

一方、羽根車がグルグル回って液体を送り出すのは「渦巻ポンプ」。ポンプの分類では前者を「容積式ポンプ」、後者を「非容積式ポンプ」といいます。

容積式ポンプって何?!

容積式ポンプとは、「ある一定の容積を有している」ことと、「往復運動する距離や回転の速度を変える」ことによって、吐き出される流量を調整できるポンプのことです。なにやら難しいことを言って煙に巻こうとしている…ように聞こえるかもしれませんが、もちろんそういうわけではありません(笑)。

容積式ポンプの大きな特長は、ポンプ自身で液体を汲み上げられることです。つまり、往復運動や回転することによって、吸い込み側を負圧状態にできる機構を持っているポンプを、「容積式往復動ポンプ」と言ったり、「回転容積式ポンプ」と言ったりするわけですね。

ちなみに、容積式往復動ポンプの代表は、注射器や水鉄砲と原理が同じ「プランジャー式」や「ピストン式」と呼ばれるポンプです。高圧が必要な用途に用いられます。

大きなものでは海水を淡水化する装置で、海水を昇圧してRO膜(逆浸透膜)という緻密なろ過膜を通すために用いられています。真水を引いてくることが困難な離島や砂漠で活躍しています。

比較的身近なものでは、車や建物、工事現場等の洗浄機に高圧のプランジャーポンプが使われています。

また、回転容積式ポンプの代表は「ギヤポンプ」です。2つの歯車が外側で噛み合って回転する機構になっているので、オイルやチョコレートなど、粘度の高い液体を送るのに適しています。

歯車の噛み合わせ部分は、一定の容積を持つことになるため、回転数を掛ければ吐出量を予測、計測することができます。ということで、回転容積式ポンプは吐出量を回転数で制御することができるわけです。容積が常に一定じゃないとできないワザですよね。

非容積式ポンプとは…?!

対して「非容積式」は容積式の逆で、「自吸ができない」「吐出量が常に一定ではない」ものを指します。ただし、これは原則論で、付属品を付けたり、回転数を厳密に管理することによって例外が生まれます。

イワキの非容積式の代表である【マグネットポンプ】は、原則的には自吸ができません。ただし、吸い込み側に自吸用のタンクを取り付けることにより、自吸を可能にしています。

つまり、ポンプの始動前にタンクを液体で満たし、その液だまりを「呼び水」として利用するのです。回転力を使って強制的に、吸い込み側配管の中を液体と共に 排気することで、自ら負圧状態を作り出しているわけですね。イワキには最初から自吸式に設計されたマグネットポンプもあります。これは別の機会にご紹介し ましょう。

非容積式は、回転数を利用した厳密な流量の制御はできないため、吐出側のバルブの開閉で流量を調整します。しかし、最近は非容積式渦巻きポンプとモータのインバータ制御により、吐出量や圧力を一定に制御できるポンプコントロールシステムも開発され、各方面で利用が拡大しています。

こうして改めて見てみると、「ポンプの分類」にもいろいろあるんですね。ポンプ、奥深し!

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