ポンプなるほど・用語編 第9回【インペラ】

このコーナーでは、ポンプにまつわる様々な「専門用語」にスポットを当て、イワキ流のノウハウをたっぷり交えながら、楽しく軽やかに解説します。今まで「なんとなく」使っていた業界の方はもちろん、専門知識ゼロでもわかる楽しい用語解説を目指しつつ、クスッと笑える「今日の一句」づくりにも、力を注いでおります。

今回の用語は>>>>> インペラ

【インペラ】impeller

遠心ポンプなどに使用される「羽根車」のこと。ポンプ内部(ケーシング)の液体を羽根車で回転させることで、遠心力を与え液体を動かす。羽根部がむき出しになっている「オープンインペラ」と、側板などで羽根部を覆っている「クローズドインペラ」がある。

流体にエネルギーを与える目的で、グルグルと回る羽根車。それがインペラです。最も身近にあるインペラは洗濯機や換気扇。これは羽根部分を直接見ることができる「オープン」タイプのインペラです。

また、扇風機や風車、船のスクリュー、そしてドラえもんのタケコプターも空気や水にパワーを与える羽根車でオープンインペラの仲間なのです。

オープンインペラを「羽根カバー」で覆ったのが、クローズドインペラです。もちろん「お洒落だから」とか「つけた方がカッコいいから」などと、伊達や酔狂でつけているはずもなく、羽根カバーをつけるには、それなりにちゃんとした「目的」があるのです。

イワキの樹脂製渦巻きポンプにも、もちろん「インペラ」は使われています。羽根部がそのままむき出しになっている「オープンインペラ」と側板等で羽根部を覆っている「クローズドインペラ」があり、主に小型の装置用ポンプにはオープンインペラが、中型以上のプロセス用ポンプにはクローズドインペラが使用されています。ここではイワキの樹脂製渦巻きポンプを中心に解説を進めて行きます。

では、遠心ポンプの原理からおさらいしていきましょう。

インペラがぐるぐると回転することで、液体がかき回され、外へ外へと向かって動き出します。壁面の近くになればなるほど圧力が上がるため水面も盛り上がり、中央に向かって水面が低くなっていきます。この遠心力を使って、液体を効率よく吐出または吸い込んでいるのが、遠心ポンプや渦巻きポンプです。

ビーカーやタンクの中をぐるぐるとかき回す「撹拌」を目的とした場合、オープンインペラでも何の問題もない…というか、むしろその方が周辺の液体まで回転が及ぶためパワーを発揮するのですが、これがポンプの中だと、話がちょっと変わってきます。

内部で羽根がグルグルと回ると、液体は外へ外へと押し出されると言う話を先ほどいたしました。ポンプの内部でも、羽根部分がくるくると回ることで、液体に遠心力を与え、「吸い込んで吐出す」という作業を行っています。渦巻ポンプにおけるインペラは、液体にエネルギーを与えるという最も大切な役割を持つ機能部品なのです。

インペラを支持する軸について

軸回転方式

金属で補強されたスプリット板でポンプ室内の回転体を支える構造で、構造体としての強度を高められるメリットがあります。イワキの大型マグネットポンプMDW、MDEで採用されている構造です。

軸回転方式 図解

軸固定方式

軸固定方式は、スピンドルの両端をフロントケーシングとリアケーシングで支える構造です。構造がシンプルでコンパクトな設計です。

軸固定方式 図解

でも、中には回転するインペラ(羽根)のスピードに付いて行けない子がいて(あ、液体ですけどね)、「よし、出るぞ!」と思っているうちにまた次の羽根が来てかき回される。それでも負けずに「よし、こ、今度こそ!」とトライするも、またまた次の羽根がやって来て流されてしまう・・・(わぁ〜っ!)。そんなこんなで、いつまでたっても外に出られず、羽根付近に巻き起こる「無限回転の渦」にハマってしまう可哀想な子がいるんです。さぞや目が回っていることでしょう…(シクシク)。

この子が一人や二人ならまだしも、大勢いたのでは流量も変わって来てしまい、いろんなところに支障が出て来てしまいます。第一、くるくる内部循環させるだけなんて、ムダの極み! そんなことをさせるために、ポンプは一生懸命回転しているわけではないのです。

ということで、そんな「ムダ」をことごとく排除するために考案されたのが、羽根カバーです。カバーをつける事により、インペラからの漏れに相当する「落ちこぼれ」がなくなり「無限回転の渦」は激減する(側板の円盤摩擦でクローズでも回転渦は無くならないので0にはならない)ので、インペラ内のすべての液体をくまなく撹拌し、効率よく吸い込み、吐き出すことを可能にしたのです。

イワキの樹脂製小型渦巻きポンプの「揚程」と「流量」の関係を説明すると、

クローズドインペラとオープンインペラにおける、揚程と流量のグラフ

クローズドインペラは「高揚程」。ある程度高さが必要な場所、入り組んでいて液体を送るのに圧力が必要な場所でも、生き生きと仕事をしてくれます。

一方、オープンインペラは「大流量」。圧力は必要ないけどジャンジャン出して!という場面で、大いに活躍してくれます。

[今日の一句]
エンペラーは「皇帝」。インペラーは「羽根車」。かたや民を動かし、かたや液体や空気を動かす。
どちらもまわりにエネルギーを与える、とっても大事な存在です

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