このコーナーでは、様々な分野で使われているイワキのポンプの中から、「え?こんなところに?!」と思っていただけるポンプの現場にスポットを当て、いろんなシーンで活躍するポンプを紹介しています。

前回に引き続き、神奈川県綾瀬市のライフクリーニング様からお届けします♪

スケールの大きい洗濯の現場で活躍するイワキのポンプたちとの感動の対面を果たしたメルマガ編集部ことイワ気になる隊。働きやすい環境を支えている喜びと責任をひしひしと感じることができました。

ちょっとおさらいしますと、大量の洗濯物をキレイに洗い上げるには、洗剤や漂白剤など4種類の薬剤を正しい順番で適切な量を投入しなければなりません。今まで苦労されながら1回1回手で投入していた作業を一手に引き受け、全自動化したのがイワキの電磁定量ポンプEH-E型です。

ライフクリーニング様は、外国人の従業員や海外からの研修生も多い職場でもあるので、「何番」と指定するだけで正確な量を安全に大型洗濯機に投入できるようになったことは本当にありがたい。現場のみんなも喜んでいますと、大隅社長からうれしいお言葉を頂戴しました。

もう、それだけでも十分だったのですが、「もっと嬉しいことがありまして・・・」という気になるお言葉。ならば場所を変えてしっかりお伺いしようではありませんか! と、別棟の事務所に移動して、改めてお話を聞かせていただくこととなりました。では、大隅社長へのインタビューから、後編、スタートです♪

▼前回のお話はコチラ
【お客様事例】株式会社ライフクリーニング様 – クリーニング工場で洗剤を自動投入する定量ポンプ 前編 –

大隅社長の波乱万丈なクリーニング人生

今回インタビューを快く引き受けてくださったのは、大隅社長と須藤専務、そして義理の息子さんである加藤専務と、イワキ東京営業所の中嶋さんです。では、いろんな角度からお話を聞かせていただきましょう!

── えー、では改めまして、よろしくお願いいたします。まずは、クリーニング業を立ち上げたきっかけからお話いただけますか?

大隅「子供の頃から職人になるのが夢でした。叔父が小さな洗濯屋さんをやっていたので、そこで修行をして、クリーニングの技術を身に付けました」

自分の夢を叶えるため、昼夜問わず一生懸命に働いてきた大隅社長。「町の小さな洗濯屋さん」の店主を経て、知り合いの紹介でリネン業を立ち上げたのが、平成15(2003)年のことでした。

大隅「この頃は公私共に実に波乱万丈な時代で、実は創業して1週間で盲腸になりまして・・・」

── えっ? 盲腸ですか?

出だしからパンチのあるエピソードが飛び出しました。創業といっても社長一人の小さな会社です。おまけにその頃は「町の洗濯屋さん」の仕事も並行してやっていたので、仕上げた洗濯物をお客様にお届けしなければなりません。

大隅「今のクリーニングといえば、持ち込みがほとんどですが、私がやっていた頃はお得意様1軒1軒を尋ねて、クリーニングをお預かりして、仕上がったら届けるという、いわゆる“御用聞き”をやっておりまして」

衣類を預かるところから、洗って仕上げてお届けする。300人を超えるお得意様を抱えて、すべて社長一人でやっていたというのですから頭が下がります。でも、当の「大黒柱」が盲腸で入院を余儀なくされたのですから、さぁ、困った!

須藤「それはもう、大変でしたよ(笑) 何が大変って、お客様情報はすべて社長の頭の中にあるだけ。顧客リストなんてモノもありませんから、洗濯物ひとつ届けるのも、てんやわんやでした」

その頃のご苦労を知る須藤専務は、なんと! 当時のクリーニング店の古いお客さんだったというのですから驚きです。「見るにみかねて手伝っているうちに、・・・不思議ですよね。今もこうして手伝っているんです(笑)」と、明るく笑ってお話ししてくださいました。お客さんが手伝ってくれる町のクリーニング店って、なんだかとっても素敵ですね。

そのご縁がさらに育って、今も頼もしいビジネスパートナーである須藤専務。インタビュー開始早々、なんとも心温まるエピソードが飛び出しました。

なんとか体調が回復しリネン業を再開するも、バブル崩壊からまだ立ち直りきれていない世間の風は相当冷たいものでした。

大隅「始めたばかりで資金もなく、満足な機械も揃えられなくて・・・、まずは乾燥機代を稼ごうと、必死で働きました」

そんな姿を見てくれる人はちゃんと身近におりました。

大隅「見るに見かねたのか、ある知り合いが、中古の乾燥機を紹介してくれましてね。『毎月5000円でいいから使っていいよ』と、貸してくれたんです。もちろん通常では、そんな金額では到底借りられません。もう、どれほど助かったことか」

須藤「世の中捨てたもんじゃないですよね・・・」

現代版わらしべ長者?! 急転直下の展開に

そんな周りの方々の温かい応援に応えようと、さらに懸命に働き続けていた大隅社長の元に、突然、信じられないような話が舞い込みます。

大隅「100坪のリネン工場をやっていた知り合いが、火事を出してしまったんです。それでその社長から、『あとを頼む!』と言われまして・・・」

── えっ?! 火事? あとを頼むって?! 矢継ぎ早に予想外の展開が来て、ついていくのが精一杯です。

不幸中の幸いで、焼けたのは工場の中だけ。建物は残っていましたし、使える機械もあったそうですが・・・

大隅「正直、ひどい状態でした。その頃、趣味でゴーカートをやっていたのですが、その仲間たちが片付けを手伝ってくれまして、火事直後の工場を全部きれいにしてくれたんです。今思えばよくやったなと(笑)」

そんな姿を見ていた、その工場の社長さんが大隅社長にこう言います。『この工場を好きに使っていいよ。お前に任せる』と。

まるでドラマを見ているようですが、まさに「現実は小説より奇なり」。こうしてあれよあれよという間に、2つの工場を切り盛りすることとなったのです。しかもひとつは100坪! 平成18年のことでした。

大隅「ユニフォーム工場を持つのが長年の夢だったんです。前からやっている工場(埼玉県深谷市)はタオル専門に、受け継いだ100坪の工場(神奈川県綾瀬市)でユニフォームのクリーニングを始めました」

しみじみと噛み締めるように「仲間、知り合い、本当に周りの人たちに助けられて来た」と大隅社長はおっしゃいますが、何事にも真剣に、身を粉にして働くことを厭わずにやってきた社長だからこそ、このような「ギフト」が贈られるのでしょう。

こうして波乱万丈な人生も軌道に乗り、少し落ち着いて来た頃、法人化して現在の「株式会社ライフクリーニング」が設立されました。それからまもなくして、また新しい扉が開くことになるのですが・・・

有能な跡取り登場

2つの工場を切り盛りするようになってからも、昔からのクセは抜けず、相変わらず昼夜を問わず働いていた大隅社長。ある日、お嬢さんが結婚相手を連れて来ました。

大隅「娘と結婚したければ、家業を手伝えと(笑)」

加藤「強烈なお父さんでしたね(笑) 『一緒に仕事をする』しか選択肢がなかったものですから、それから3年間、必死になって働きました」

なんという決断! 愛は強し、なのですね。勤めていた会社も辞めて、義父である社長の指導のもと、ゼロからクリーニングの道を歩き出しました。今では頼もしい社長の右腕となった加藤さんですが、お嬢さんも相当、見る目がありましたね。

須藤「ええ。生粋のクリーニングっ子ですからね。彼女は3歳の頃から洗濯物を畳んでいましたから(笑)」

なるほど。家業を支えてくれる人を、自然と選んでいたのかもしれませんね。

株式会社ライフクリーニング 専務 加藤様

イワ気になる隊としては、もうちょっとこのあたりの話を深掘りしたかったのですが、時間の関係でぐっと我慢。話を進めていただきましょう。こうして跡取りもできて、一家の絆がより深まったライフクリーニング様。でも、ここからさらに新たな展開が待っていたのです。

新生・ライフクリーニングの誕生

取引先にも恵まれ、2つの工場も順調に稼働していたライフクリーニング様でしたが、職人気質の大隅社長は「現場を見ていないと落ち着かない」ところがありました。そろそろ工場をひとつにまとめたい。なんとなくそんな風に思い始めていた頃・・・。

大隅「たまたまここ(現所在地)が空いたということで、引っ越すことにしたんです」

── えっ? たまたまって・・・。いえいえ、もう驚きません(笑)。はい、タイミング良く良い物件に巡り会えたんですね。

大隅「ありがたいことに、ここでもまたまた良いご縁に恵まれまして、装置屋さんが『ここをモデル工場にしたい』と、申し出てくれたんです。もちろん一も二もなく引き受けましたよ。どうぞ、好きに作ってくださいと」

現在の工場は約300坪の2階建て。1階は仕分け・洗濯エリア、2階は乾燥・仕上げエリアになっています。前編でもご紹介したように、1階には大型洗濯機が9台。2階にはユニフォームのアイロンがけ(スチーム)から畳みまで、すべて自動でこなすハイテク仕上げ装置や、使用期限が印刷されるおしぼり包装装置。そしてQRコード管理により「今、どこに、どんな状態にあるか」がひと目でわかるITシステムも投入されています。

ハイテク仕上げ装置

ユニフォームのアイロンがけから畳みまでを全自動で

おしぼり包装装置

おしぼり包装装置

QRコードで簡単に管理

QRコードで作業状態を管理

大隅「自転車1台で御用聞きをやっていた人間が、こんな立派な工場を持てるなんて夢のようです。正直、まだピンと来てないところがあるのですが、本当に感慨深い・・・です」

装置屋さんとは40年来のお付き合いになるそうですが、設計から設備の導入まで、その技術の集大成ともいえる「理想の工場」が出来上がったわけですね。工場が完成したのが2020年の2月。ここでやっと「創業までのストーリー」を伺えたことになります。いやはや、盛り沢山でしたね(笑)でも、それだけの歴史があってこそのライフクリーニング様の今、なのです。

イワキとの出会い

── では、イワキのポンプとの出会いを教えてください。

中嶋「実は、イワキの中でもリネン関係の仕事をしているのは私だけなのですが、大手洗剤メーカーさんや、その代理店様とのおつきあいを大切にしてきました。今では良いパートナーシップも生まれ、今回、その代理店様から『洗濯機用の自動投入機を導入してくれないか?』と、声をかけていただきました」

薬剤の自動投入は、イワキの得意とする分野です。しかしこれだけの台数の業務用大型洗濯機への自動投入は今回が初めてのケース。イワキにとっても大きなチャレンジでした。

中嶋「幸いなことに施工業者さんもとても前向きな方だったので、本当に良い経験を積むことができました」

── 導入までに何かトラブルはなかったのですか?

中嶋「2020年の1月に現地調査を開始し、ポンプの選定、設計を始めました。基盤も完成していよいよ初試験! ところが、ポンプは動きません。なぜだ? なんでだ? と、一瞬ザワつきましたが、すぐに原因がわかりました。ライフクリーニング様では、2つのメーカーの洗濯機を使っているんですが、ポンプへ出す信号の回路がそれぞれ逆だったんです」

すぐに配線を修正し、2度目のテストでは見事成功! 距離にして約30メートルのポンプから一番遠い洗濯機へも定量の薬剤を正確に送ることが確認できて、関係者一同、大いなる達成感を味わったそうです。

イワキ東京支店 営業 中嶋さん

中嶋「イワキのポンプは産業機械なので、化学工場や上下水処理場など、保全管理が行き届いていて、扱う人も技術者であることがほとんどです。ライフクリーニング様のように一般の方が扱うというケースが少ないので、『万が一』には十分すぎるほど備えました」

── ポンプから液が漏れた! なんて事態になったら、それこそ大騒ぎになるでしょうからね。

中嶋「はい。このリネン工場で働いているポンプは、化学工場級の仕上がりといったら良いのでしょうか。一般の方でも簡単に扱えながらも、産業機械として培った技術・ノウハウを余すところなく注ぎ込んで仕上げたイワキの自信作です!(笑)」

大隅「仲間の工場でもポンプを使って洗剤などを投入していますが、形からして全然違いますよね。しかも、仲間内からは故障も多いと聞いていますが、イワキさんのポンプはそれもないと言いますし。全幅の信頼をおいて、導入をお願いしました」

中嶋「ありがとうございます!」

大隅「私たちが扱っているのは医療用のリネンなので、洗剤のレシピがとても厳しいのです。イワキさんのポンプを導入してからというもの、間違いがなくなり、安心して作業に集中できるようになりました」

たとえば、色のついたユニフォームを洗う際に、漂白剤の量を間違って入れてしまったら、それこそ大問題です。それを防ぐために、管理者クラスの社員が薬剤の投入作業をチェックしていたのですが、ポンプ導入後は経験の少ない社員にも安心して任せられるようになり、作業効率がぐんとよくなったそうです。

電磁定量ポンプ

電磁定量ポンプ EH-E型

── そういえば、さきほど工場で「もっと嬉しいことが・・・」とおっしゃってましたが、社長、どんなことが起きたんですか?

大隅「ああ、そうでしたね。私たちも驚いているんですが、洗剤をはじめとする薬剤の減る量がまるで違うんです! ポンプを使い始めて1週間で、明らかにその違いがわかりました」

マグネットポンプ MXM型

屋外タンクから薬液を移送するマグネットポンプ MXM型

── それはすごいですね。実際にはどのくらい違うんですか?

大隅「手で入れていた時は、1ヶ月で約2トンの薬液を消費していました。屋外においてあるタンクが1ヶ月ですっかり空になっていたんです。それが、ポンプを導入したとたん、『え? これしか減らないの?』という感じです」

須藤「1ヶ月でこれだけ違うんですから、チリも積もればなんとかで、3ヶ月、1年と計算していったらどれほどのコストカットになることか。もう、本当に助かります」

中嶋「そんなに変わりましたか。目に見える変化を示すことができて、私も嬉しいです」

クリーニングのプロが「全然違う」と言い切るほどの変化が、ポンプの導入によって起こったのです。さすがはイワキのポンプ。「定量」を極めるとコストカットにつながるんですね。

大隅「『ちょっと多めに入れてしまう』のは、人の心理なんでしょうね。でも、多めに入れたからといって綺麗になるわけでもないし、逆に洗剤が残ったり、変色の原因になったりして、良いことはひとつもありません。でも今は、ポンプのおかげで洗剤も減らない。洗い直しもなくなる。本当にイワキ様様です(笑)」

中嶋「ポンプは縁の下の力持ち。その効果が分かりにくい装置でもあるのですが、こうしてポンプの導入の成果がハッキリとわかったのは、私にとっても初めてです。これはやる気につながりますね。大変ありがたいです。逆にライフクリーニング様様ですよ(笑)」

笑いに包まれこの部屋の温度が少し上がったように思えるほど、ライフクリーニング様とイワキの関係はとっても温かいモノでした。

── では、こんな機会もなかなかないと思いますので、お互いに一言ずつ。

中嶋「え? 恥ずかしいな(笑)。今回初めて、これだけの規模のリネン工場を担当させていただいて思ったことは、クリーニングの現場も立派な『医療従事者』であるということです。今まであまり気にしていませんでしたが、こうやって『洗濯』という仕事で医療を支えてくれている人もいるんだということがわかって、それを広く伝えたいですね」

大隅「そんな風に言っていただいて・・・ありがとうございます」

未曾有のコロナ禍で医療の現場に注目が集まりましたが、清潔なシーツやユニフォームがあってこそ、安心して治療が受けられるというもの。医療の根本のところを支えている大事なお仕事なんですね。

中嶋「しかもポンプの設置工事中、夜遅くの作業になった日もありましたが、そんなとき『ご苦労様』と温かいコーヒーやパンを差し入れしてくださったり・・・。あの時はうれしかったですねぇ」

大隅「いやー、うちとしては当たり前のことをしているだけなんですが(笑)」

大隅社長のお人柄がわかりますね。こうして人と人のつながりを大切にしているからこそ、大隅社長の周りには良い人が集まってくるのでしょう。良い人が集まれば笑顔が増え、笑顔が増えれば良い仕事もできる。良いご縁の連鎖、ですね。

「そうだ!」と、おもむろに立ち上がった須藤専務が、大きなお皿いっぱいのシャインマスカットを持って戻ってきました。

須藤「どうぞ、皆さんで召し上がってください。おいしいですよ」

大隅「頂き物ですけど、これ、以前の銀行の担当者の方がリタイアされてつくった葡萄なんです」

── ええ? そんな貴重なもの、いいんですか? それでは遠慮なく(笑)

須藤「この前はメロンが届きました(笑)」

これもまた、ライフクリーニング様の温かさが伝わるエピソードですね。では、大隅社長からも一言、お願いします。

大隅「多くのご縁で、こうしてイワキさんと出会い、申し分のないポンプを導入していただきました。この(事務所の)上が休憩室になっているんですが、昼休みや休憩時間には笑い声がたくさん聞こえてくるんです。安心して楽しく働いてくれているんだなぁと、それが嬉しくてね・・・」

── 私たちもそれは感じました。

大隅「彼らが楽しく働ける職場が一番ですから。これからも末長いお付き合いをお願いします。強いて言うなら、もう少し価格がお安ければ言うことないのですが・・・(笑)」

中嶋「あ(イタタタ)・・・がんばります(笑)」

イワキ営業

ライフクリーニング様と記念撮影

笑いに包まれたライフクリーニング様。この笑顔がずっと続くよう、しっかりとクリーニングの現場を支えていって欲しいです。がんばれイワキのポンプ! 良い出会いをありがとうございました!

株式会社ライフクリーニング

会社創立 平成15年(2003年)
所在地 神奈川県綾瀬市早川2647-34
事業内容 クリーニング、リネンサプライ

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