ヨーロッパ、アメリカ、アジアを拠点に、ワールドワイドにビジネスを展開しているイワキ。 このコーナーでは、そんな世界のイワキを支える拠点とそのお国柄などを楽しくレポートしていきたいと思っています。

「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、都内の桜も一気に咲き始めましたね。桜⇒花見⇒ビールという、昔懐かしい「連想ゲーム」のような発想で、今回はドイツより、ビールの話題をお届けしたいと思います(#^^#)

©Bayerischer Brauerbund e. V.
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と言っても、デュッセルドルフ近郊のヴィリッヒ市にある「イワキヨーロッパ」からのレポートではなく、じつは昨年のIndexPro社様主催の経営フォーラムでご一緒した、ドイツバイエルン州の広報の方から教えていただいた情報なのです。

なんでも、ドイツには「ビール純粋令」なる法律があるのだそうです(@_@) ビールの本場としても有名なドイツですが、まさかビールに関する法律まであるとは! ビール好きで有名な(?)メルマガ編集部こと「イワ気になる隊」は、早速その情報収集に乗り出したのでありました。

「ビール純粋令」って??

さて、気になる「ビール純粋令」をごく簡単に説明すると、「ビールは、麦芽・ホップ・水・酵母のみを原料とする」という法律なんです。近年、発泡酒や第三のビールなどが続々と登場し、本物のビールを飲む機会が減っているどこかの国とは大違いですね(笑)。

この「ビール純粋令」の歴史は古く、1516年4月23日にバイエルン公ヴィルヘルム4世が制定したものだそうで、現在も有効な食品に関連する法律としては“世界最古”とされる法律なんです。奇しくも今年(2016年)は、制定500年に当たるわけで、ドイツ国内でもイベントやPR活動などが行われているようですが、この記念すべき年に当ブログでも取り上げることができたご縁に感謝したいと思います。

©Bayerischer Brauerbund e. V.
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それにしても、この法律、いったい何のためにできたと思います? なんと!その主たる目的は「粗悪なビールから消費者を保護すること」だそうですから、ドイツ国民にとって、ビールがいかに大きな存在であるかがわかりますよね。もちろん、その裏では「ビールの価格を安定させること」という生産者保護の目的もあったようですが、すでに16世紀半ばにして、産業界でこのように成熟した考え方をしていたドイツという国に、敬意を表さずにいられません。

ドイツビールの銘柄は5,000以上!?

それにしても、ドイツでは「麦芽・ホップ・水・酵母」というたった4種類の天然原料から、40種類以上、銘柄にすると5,000以上が生み出されるというから驚きです。「ヴァイツェン」「ピルスナー」などはご存じかもしれませんが、淡い黄金色をした「へレス」(ヘレスはドイツ語で色が淡いという意味)、茶褐色の「デュンケル」 (デュンケルは暗い、濃いという意味)、黒ビールの「シュバルツ」 (シュバルツは黒という意味)などなど、ビール好きとしては「うらやまし~い!」限りの豊富なラインナップです。

©Bayerischer Brauerbund e. V.

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なかには、ケルン大聖堂で有名なケルンの町のビール「ケルシュ」などのように、その地で造られたものしか名乗ることが許されない銘柄もありますが、なんと、5,000のうちの4,000銘柄が「バイエルン州」で造られているのだそうです。ドイツには、1300以上のビール醸造所があると言われていますが、じつにその半数近い600以上の醸造所がバイエルン州にあるわけです。

そもそもの話をすると、この「ビール純粋令」も、公布された当時はバイエルン公国においてのみ有効な法律だったのです。後にドイツが統一されるにあたり、バイエルンはドイツ帝国の一員となる条件のひとつとして「ビール純粋令」がドイツ全土で適用されるように迫り、1906年になって「ビール純粋令」が全ドイツで適用になったという経緯があるようですが、ビール醸造所の2軒に1軒がバイエルンにあるとなれば、納得できる話ですよね。

©Bayerischer Brauerbund e. V.
©Bayerischer Brauerbund e. V.
醸造所 ©Bayerischer Brauerbund e. V.
醸造所 ©Bayerischer Brauerbund e. V.
貯蔵タンク ©Bayerischer Brauerbund e. V.
貯蔵タンク ©Bayerischer Brauerbund e. V.
充填工程 ©Bayerischer Brauerbund e. V.
充填工程 ©Bayerischer Brauerbund e. V.

近年のバイエルン州には、「ミッテルシュタント」と総称される優秀な中小製造業者が集結しており、ものづくりに関わるイワキとしても、気になる都市のひとつであったわけですが、今回「ビール純粋令」の話を知って、一方的に“ひとかたならぬご縁”を感じてしまいました。気になるバイエルン・・・そのうち、現地取材にも行けるでしょうか(笑)?

以上、気になるドイツビールレポートでした(^^ゞ

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