こんなところにイワキです
美味しい野菜づくりを支えるポンプ・後編

【お客様事例】カネコ種苗株式会社様

このコーナーでは、様々な分野で使われているイワキのポンプの中から、「え?こんなところに?!」と思っていただけるポンプの現場にスポットを当て、いろんなシーンで活躍するポンプを紹介しています。

今回私たち「イワ気になる隊」の突撃取材を受けてくださったのは、群馬県前橋市に本社を構えるカネコ種苗様! イワキのポンプを25年以上も使っていただいている大切なお客様です。

イワキのポンプは、土を使わずに作物を育てる「養液栽培」のプラントで使われています。前回はシステム販売部取締役部長 金井様に、イワキとの出会いから養液栽培の未来についてまで、素敵なお話しを聴くことができました。

>>> 気になる「前編」はこちら

 

いよいよ“ポンプが働く現場”に

カネコ種苗株式会社 開発部 石鉢様

本社から波志江(はしえ)研究所へと移動して、作物がどのように育っているかを、見て、触って、匂いをかいで、丸ごと体験してみたいと思います。

今回、研究所を案内していただいたのは、開発部の石鉢依子さん。こんなに若くて可愛らしい研究者さんがいるなんて、日本の未来は相当明るいと思えました。

波志江(はしえ)研究所は、同じ群馬県内ですが、本社があった前橋市のお隣の伊勢崎市にあります。本社から車で走ること約30〜40分。次第に畑の多い、広々とした景色に変わっていきました。遠くに見えるのは赤城山です。この日はお天気にも恵まれ、美しいシルエットを見せてくれました。

波志江研究所に到着。坂を上っていくその両脇に、温室が何棟も建っていて、まずはその数に圧倒されました。ここでは野菜の他にトルコキキョウやバラ、カーネーションなどの花の育種研究や栽培も行なっているそうです。

研究所では、ウイルスに強くて、美味しくて元気な作物を育てるための様々な研究が行われています。まさに未来に輝けるバイオテクノロジーの技術が集結している場所なんです。

養液栽培の育成研究を行なっているハウスは7棟。今回はレタスなどの葉菜、キュウリ、イチゴ、トマトを育てる4つの現場を案内していただきました。

レタスの新種「マルチリーフ®」

まず初めに入ったのは、レタスハウス。新種の「マルチリーフ®」の栽培を中心に、最近人気のパクチーや万能ネギ、サンチュなどがスクスク育っておりました。

石鉢様「EK式ハイドロポニックという技術で、このマルチリーフ®を育てています」

一見、可愛いブーケのようにも見えますが、レタスの新種です。根元をひとひねりするだけで、葉がパラパラになる扱いやすさと、ちょっとビターな味わいで、最近人気の野菜だそうです。

ここでは葉物専用の養液を使っています。

ああ、いました! ありました! イワキのポンプです。ここでの役目はレタスが喜ぶ養液補給。レタスが吸って減った分の養液を補給し、常に一定量、一定濃度を24時間、365日保っています。

与えるお水は水道水が主ですが、実際の栽培現場では井戸水や雨水も併用されているそうです。

プラント技術「スプレーポニック」とは

続いて入ったのは、キュウリハウス。ハウスに入った瞬間、南国風というか、ジャングル的というか、「もわん」と暖かな空気に包まれました。先ほどのレタスハウスは「爽やかな草原」的な空気でしたが、キュウリは高温多湿(しかもちょっと高め)を好む作物。ご機嫌よく育ってくれるように温度や湿度管理も徹底しています。

ストレスなく育つと、葉も茎もこんなにしっかりしていて、緑も濃いんですね。葉っぱの大きいことったら! お見事です

ここでは「スプレーポニック」というプラント技術でキュウリを育成しています。根っこに養液をダイレクトに噴霧することで、ただ浸すだけより栄養や水分の吸収がより効率よくなる技法です。

キュウリは育つ速度が速いので、夏場は朝と夕の2回、収穫しないと間に合いません。ちょっと放ったらかしにしておくと、育ちすぎてお化けキュウリの出来上がり。出荷できなくなってしまいます。特に夏場の収穫は本当にキツいそうで、後継者問題も深刻化しているそうです。そんな問題にもこの養液栽培が光となってくれることを、心から願います。

キュウリのツルのクルクル加減とか、可愛い黄色い花に、まだ生まれたてのキュウリの赤ちゃんなど、それこそ「ずっと見てられる〜」景色だったのですが、時間は限られています。

イチゴと人とミツバチと…

キュウリハウスを後にして向かったのは、イチゴハウスです。さきほどのキュウリハウスのジャングル感とはまたガラッと変わって、温度も湿度も、人間にもちょうどいい、優しい環境でした。

さぞや真っ赤に熟したイチゴたちが、私たちをお出迎え・・・と思っていたのですが、あれ? イチゴが少ない・・・

石鉢様「すいません、先ほど収穫したばかりで・・・。ちょっと前まで、熟したイチゴがいっぱいなっていたのですが、お見せできなくて残念です」

赤いイチゴは普段から見慣れていますが、こんなに青いイチゴを見るのは初めて。むしろ貴重な体験です。しかも「次第にイチゴになっていく」その過程がこんなに間近に見られるなんて、まさにイワ気になる隊が求めるもの!かえってありがたかったです。

イチゴは可愛い白い花を咲かせます。その花が実を結び、美味しいイチゴになるためには「受粉」が必要です。「おしべとめしべが・・・うんぬん」ということを、小学生の理科で習いましたよね。ただ咲いているだけでは、イチゴは生まれないのです。

自然の中なら、ミツバチたちがその役目を担うのですが(虫媒花というそうです)、ハウスの中ではどうしているのでしょうか?

石鉢様「ミツバチと私たちの共同作業です」

え? ミツバチ・・・?

そうなんです。ハウスの中でミツバチを飼っているんです。なるべく自然な環境に近づけるよう、受粉の時期にはミツバチをハウスの中に放ち、ハチたちに花粉を運んでもらっているのです。

それでも足りない場合は、石鉢さんたちの出番です。柔らかい刷毛で、ひとつひとつ花弁の周りを撫でて、人工受粉を行なっているそうです。イチゴって、とっても手間がかかるものなんですね。イチゴ農家さんたちのご苦労を垣間みた思いです。

ハチは中で眠っている時間だったので巣箱だけをパチリ

ここにもいました電磁定量ポンプ

でも、こうして丹誠込めて育てて行くからこそ、お互いに愛情も芽生えて行くのでしょう。イチゴと人とミツバチと…。なんだか映画のタイトルにもなりそうですが、三者が力を合わせて美味しいイチゴを作っているんですね。

空飛ぶトマト

時が経つのは早いもので、いよいよ最後のハウス、トマトハウスです。

「うわぁ〜、これがトマト?!」

ハウスに入ったイワ気になる隊の第一声がコレ。なぜなら、こんな風になっているトマトを、生まれて初めて見たからです。

皆さんは「トマトを見上げた」経験があるでしょうか? トマトがこんなに背が高くなるなんて! まるでトマトのカーテンです。そして、下を見ると茎がぐるぐると渦を巻いているではありませんか!

この衝撃のトマトを生み出しているのも、キュウリと同じスプレーポニックです。根っこに養液を噴霧する、画期的な方法ですね。金井様のお話にもありましたが、トマトに限らずすべての作物は成長の度合いによって、必要とする養液の成分や濃度が違います。

養液を浸す方法だと、その切替の際にたまった養液を捨てる作業や新しい養液を満たす作業が必要になるため、時間と手間、さらには養液もたくさん使わなければなりません。

一方、このスプレーポニックならば、与える養液を変えるだけですむので、貯まった溶液を捨てるムダも、新たに溶液を貯める時間も必要なし。サクッと切り替えることができるんです。しかも、根っこにダイレクトに栄養分を吹きかけるので、吸収率もバツグン。野菜たちはぐんぐん育ってくれるというわけです。

こんなに立派なトマトの育成に、イワキのポンプが一役買っているかと思うと、感激もひとしおです。トマトさん、この調子でスクスク育ってね。

トマトハウスでもハチの巣箱を発見。イチゴとはまた種類の違うハチ(マルハナバチ)に受粉してもらっているんだそうです。

根っこに注目するあまり下ばかり見ていた私たちに、石鉢さんが一言。

石鉢様「このトマト、どこで支えられてると思いますか?」

はっ! そういえば! 土がありませんから、根っこを支えるものはなし。かといって、途中で幹を支えているようなものも見当たりません。そーっと上を見ると・・・(ここで改行)

え? 空中浮遊??

そうなんです。高くは天井付近、そして高さを変えて縦横に立てられている金属製の長いボールに、トマトのツルが絡まっているだけなんです。

これって、要するにトマトたちはぶら下がっているだけってこと?

石鉢様「おっしゃる通りです。ワイヤー栽培といって、トマトが自分で自分の体重を支えているんです」

へぇ〜っ!それはすごい!! でも、こうなるまでには人間が丹精込めて面倒を見てあげないとならないそうです。

石鉢様「トマトは自力では巻きつくことができないので、私たち人間が絡まりやすい環境を作ってあげる必要があるんです」

頭上高くに張られたワイヤーは誘引線という名前で、そこから誘導紐を何本も垂らし、その紐にツルを巻きつけて、トマトを支えているんだそうです。

そんなに手をかけているとは! なんというトマト愛!!

そしてトマトもまた、その愛と期待に応えようと、ガンッバッて育ってくれているのですね。これぞトマトとヒトの共同作業! この立派な姿は、トマトと人の想いが通じ合った結果なのです。

いやー、素晴らしい。感動しました。目からウロコが落ちまくりました。

最新技術というものは、決して上からがっちりコントロールするのではなく、作物が持つ本来の力を遺憾なく発揮できるように、そっと寄り添い、優しく手助けするものなのだと実感しました。

そしてその作業の一端をイワキのポンプが担っている・・・。この事実をしかと受け止め、野菜が喜ぶ環境づくりのお手伝いをしていこう! たわわに実るトマトたちを見ながら、いつのまにか背筋がピンと伸びていたイワ気になる隊でした。

今回は貴重な研究現場を見せてくださり、本当にありがとうございました!

石鉢さん、そして金井部長、ご協力に感謝いたします。

そして、カネコ種苗様の未来に輝きあれ!!

以上。イワ気になる隊の突撃レポートでした。

カネコ種苗株式会社(KANEKO SEEDS CO.,LTD.)

創立 1947年(昭和22年)6月17日
本社所在地 群馬県前橋市古市町一丁目50-12
主な事業内容 ・農産種苗の生産及び販売
・球根、タネ、苗、花き園芸資材の生産及び販売
・造園工事の設計及び施工
・温室、農業用生産資材の製造及び販売
・農業薬品の販売・樹脂資材の販売
・養液栽培システムの販売

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