通常このコーナーでは、イワキの技術力が支える様々なジャンルをご紹介しつつ、その製品が使われている分野が意外なほどに広いということをお伝えしているのですが、前回は遂に!私たちメルマガ編集部こと「イワ気になる隊」の念願であった「お客様事例取材」レポートをお届けすることができました。

その「気になる」取材先とは、半導体製造装置メーカーの株式会社プレテック様です。かねてから我々は「イワキのポンプを使っています」と手を挙げていただけるお客様を探していたわけですが、前回おじゃました府中本社の村山様のお計らいで、静岡県焼津市にある「静岡製造所」への取材も実現したのであります。

そんなこんなで、久々の遠方取材に胸高まる「イワ気になる隊」。取材のお約束は午後からだというのに、勢い余って(笑)、昼前に東海道本線の焼津駅に到着してしまったのでありました(#^^#)

焼津駅

駅前の足湯施設

まずは焼津を総力取材!?

さて、プレテック様とのアポイントまで約2時間・・・せっかくならば焼津の魅力をまるごとレポートしてみたいという取材者魂(?)を持って、イワキ静岡支店の営業車に乗り込み、焼津の街へと繰り出すことにしました。

と、車が出発してわずか数分、いきなり“気になる”施設を発見! その名も「深層水ミュージアム」です。なにしろイワキは「流体制御機器」のプロ。「水あるところにイワキあり!」と自負している会社です。話題の「深層水」とあれば、見逃すわけにはいきませんよね。

深層水ミュージアム

オオグソクムシ

ここ焼津が面する「駿河湾」は、伊豆半島最南端の石廊崎と御前崎を結ぶ線に囲まれた海域ですが、その最深部は2,500メートルに達し、じつは「日本一深い湾」なのであります。そして今、海洋深層水は「未来の資源」として、各方面から注目されているんです。冷温・清浄・水・塩・鉱物など、これからの時代の人類が必要とする基本的な資源の多くを支えてくれる可能性があることをあらためて知り、ミュージアムを後にしたのでした。

さて、大人の社会科見学をしているうちに、いつのまにやらランチタイム♪ せっかくなら焼津らしいランチをいただきたいとばかり、焼津魚センターの中にある「のっけ家」さんにおじゃましました。どうです!?  この新鮮なお刺身が載った海鮮丼!

店名を裏切らない「のっけ」っぷりです! そのほか、キハダ鮪の乗った「さっぱり5種丼」にちょっぴり個性派「ねぎとろユッケ丼」、妙に魅かれる「まかない丼」などのランチを堪能させていただきました。

その後、もう少し時間があったので、辺りを散策していると・・・え、えっ!?「生わさびソフトクリーム」!? 気になることはトコトン追及する「気になる隊」ですから、もちろんデザートにしっかりいただきましたとさ(*^^)v

いざ! 株式会社プレテック様へ

そんなこんなで、ちょうどよい時間となりました。いよいよ「半導体の製造装置で働くポンプ」たちに会いに行けるのです。そこから車で走ること数分、プレテック様の看板が見えてくると、自然と車内の空気も引き締まりました。

今回、こんなわれわれを温かく迎え入れてくださったのは、静岡製作所所長の大畑様、総合管理部の加藤様のお二人です。

府中本社におじゃました時もそうでしたが、プレテック様は「おもてなし」の心があふれている会社なんです。

会議室に通されると、まもなく冷えたおしぼりをお持ちいただけます。暑い日には、本当にありがたいお気遣いですよね。その上「ドリンクメニュー」までが用意されているのです。好きな飲み物が選べるなんて・・・(@_@)

── 本日はありがとうございます。今回は「半導体の製造装置で働くポンプ」を実際に見せていただけるという貴重な機会をいただき、スタッフ一同、心から感謝しております! 産業用のポンプは製造ラインなどで何らかの装置に組み込まれて使われるものですから、実際に【働くポンプ】の姿を目にする機会はほぼ皆無なんです。

大畑所長 「イワキさんとは、かれこれ20年を超える長いお付き合いですからね(笑)。 ご存じのように、当社はお客様ごとにオリジナルの半導体製造装置を開発しているわけですから、それをネットに公開することは絶対にできないんですが、特別にテスト装置に組み込まれているポンプならと判断したんですよ」

── 色々とご迷惑をおかけした時もあったようで・・・前回、村山様とも、その話題で盛り上がりました(笑)。

大畑所長 「イワキさんには、随分、客先の現場にも同行してもらいましたよね。半導体製造装置には、ものすごい数の部品が使われているわけですが、その中のたった一つにトラブルがあっただけで、ラインが止まってしまうわけです。それだけは絶対に避けたいことでして・・・ですから部品メーカーさんに望むのは“キレイごと”ではなく“再発防止策”なんですよね」

加藤様 「たしか、ダンパーのトラブルのときも、幾度となく、一緒に某社の工場まで行っていただきましたよね。あの時は初期トラブルではなく、装置を使い始めて5~6年経ってからのトラブルでしたから、昨日まで大丈夫だったのに何で突然? ・・・という感じだったんですよ」

大畑所長 「耐久性の問題なのか、使い方の問題なのか、ハードの問題なのか、ソフトの問題なのか、原因追及が極めて難しいケースだったと記憶していますが、イワキさんはベローズを厚くするというパーツの強化と、ダンパーの供給圧を見直すという使い方の改善と、両面からのアプローチで解決してくれたんです。決して問題から逃げない姿が印象的でした。おかげさまでそれ以降、問題なく稼働していますよ」

── そう言っていただけると光栄です。逆に最近はトラブルで呼んでいただくことも少なくなって、ちょっと寂しい気もします(笑)。ざっくばらんにお伺いしますが、最近の半導体業界全体はどんな感じなのですか?

大畑所長 「端的に言うと、設備は増やさず生産量を上げようという流れになっています。半導体の市場自体は悪くないようで、弊社としてはお客様の生産に穴があかない様、万全のバックアップ態勢を整えているところです」

加藤様 「特に半導体の最終洗浄は品質に関わる大事な部分なので、トラブルを未然に防止するために定期的に点検をしています。トラブルがあってからではアウトですから」

── ありがとうございます。だいぶお時間も迫ってきましたが、せっかくの機会なので、イワキに対するご意見・ご要望などあれば、ぜひお願いいたします。

大畑所長 「私はもともと“制御”が専門、前回登場した村山が“機械”が専門で、つまりソフト専門とハード専門でタッグを組んでいろいろやっていた時代があったのですが、その時は随分イワキさんにも相談に乗っていただきました。私の中ではポンプと言えばイワキさんです(笑)。イワキさんのポンプは品質にバラつきがなく、こちらが期待しているとおりの性能を実現している上にほとんどトラブルもなく、とても安心して使わせてもらっています。しいて要望を出すなら・・・そうだな・・・納期を短くして欲しいことくらいですかね」

── 納期ですか!? 大事な部分なので、もう少し詳しくお願いいたします!

大畑所長 「近年、お客様からの納期もどんどん厳しくなっているのが実情です。以前の3分の2くらいの期間で、装置全体を組み上げないとならないわけでして・・・世の中全体がスピードアップしていますから、我々も追従していくしかないんです」

加藤様 「それに加えて、半導体製造装置は24時間フル稼働しているわけですから、決してラインを止めてはならないんです。ですから最近はなるべく、何かあった時にお客様自身でポンプを交換できるように配管も工夫し、配線もコネクタにするなど半ば加工を済ませて、現場にストックしてもらうようにお願いしています」

── それはありがたいですね。ご指摘のあった「納期」についても、全力でお応えしていきたいと思います! 

これが半導体の製造装置で働くポンプだっ!!

加藤様 「半導体製造の肝は『洗浄』です! とにかく、洗浄液をキレイに保ち続けること。そのためにベローズポンプががんばってくれています。どんなに小さなゴミひとつでも残っていたらアウトでからね。もちろん、洗浄にはただの水ではなく色々な薬液を使うわけですから、薬品の専門知識も必要になってきます。ですから、薬液の注入には、イワキさんの薬液補充ポンプCFD型を使っています」

大畑所長 「徹底的にクリーンな環境での洗浄には、安全性を考慮して、エアー駆動ポンプを採用しているわけです。まさにポンプは半導体製造に欠かせない重要なパーツですよ!」

実際に働くポンプを目の前に、感動を隠し切れない「イワ気になる隊」の面々でありました。
株式会社プレテックの皆さま、今回は取材にご協力いただき、本当にありがとうございました!

 

株式会社プレテック(PRE-TECH CO.,LTD.)

創立 1982年3月
所在地 [東京本社] 東京都府中市府中町2-1-14 京王府中 2丁目ビル
[静岡製作所] 静岡県焼津市大島1143
事業内容 [1] 装置事業
半導体業界、フォトマスク業界、ディスク業界及びレンズ業界に対し、お客様の用途、製造ライン等に対応した次の各種装置の開発・設計・製造及び販売[2] 機器事業
洗浄装置に搭載する超音波周波数が高い次の各種超音波洗浄機器の開発・設計・製造及び販売

 

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