このコーナーでは、ポンプにまつわる様々な「専門用語」にスポットを当て、イワキ流のノウハウをたっぷり交えつつ、楽しく軽やかに解説。今まで「なんとなく」使っていた業界の方はもちろん、専門知識ゼロでもわかる楽しい用語解説を目指しています。ひらめきで始まった「今日の一句」も、思いがけず反響がありましたので、今回もさらに磨きをかけてお届けしたいと思います。

今回の用語は>>>>>アキュムレータ accumulator

【アキュムレータ】accumulator
ポンプ吐出側の配管に連結され、吐出量や吐出圧力の瞬時的変動を窒素ガスが封入されたブラダによって緩和する装置。

唐突ですが、洗濯はご自分でなさいますか? 自動洗濯機のスイッチを押すと水がジャーっと出始めますが、
洗濯物に応じた水量が溜まると、いきなり「ドン!」という衝撃音とともに、水が止まりますよね。
これは「ウォーターハンマー(水撃)」といって、勢い良く流れていた水が弁を閉じたことにより、急に停止させられることで流体のエネルギーが逃げ場を失い、配管内の圧力が急上昇することによって起こる現象です。

イメージするなら、ご機嫌に走っていた大勢のマラソンランナーたちが、突然目の前に現れた高い壁にぶつかり、「きゃぁ〜 (>_<)」とドミノ倒しになってしまったようなものです。その衝撃たるや相当なものだと思いませんか? その昔、「車は急に止まれない」という標語がありましたが(わかる人だけわかってください)、車に限らず、液体だって、動いている(流れている)ものは、急には止まれないのです。無理矢理止めると、その衝撃たるや・・・・さぁ、想像力を働かせてみてください。

この急激に動きを止めたことによって発生する過大な圧力「ウォーターハンマー」は、圧力上昇により、配管が破裂したり、配管中の機器などが破損し、大きな事故を引き起こす危険性を含んでいます。

そこでスポットが当たるのが、「アキュムレータ」です!アキュムレータは、往復動容積ポンプなどの脈動を減衰させ、配管の振動を低減する効果があります。またウォーターハンマー現象を緩和することもでき、配管中の機器の破損を防止します。

ちなみに、同じような役割をするのが、第3回目で取り上げた「エアーチャンバ」です。エアーチャンバは空気圧を利用して、脈動を軽減しましたが、空気は液体に溶ける性質を持っています。チャンバ内の空気は液体の流れとともに徐々に減っていくため、定期的に空気を補充しなければなりません。

アキュムレータの場合、窒素ガスなどが封入されたブラダというゴム膜を介して、脈動を吸収していますが、タイヤの空気圧が低下するように、ブラダからも窒素ガスが少しづつ透過していきます。そのためゴム膜の圧力が低下するので、アキュムレータも定期的なメンテナンスが必要となります。

空気に触れることで変質してしまうような液体を移送する場合に、アキュムレータを使用することになります。

アキュムレータ内の説明イラスト

今日の一句

気をつけろ、液体も急に止まれない。
だから役立つアキュムレータ!

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