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ポンプなるほど
このコーナーでは、ポンプにまつわる様々な「専門用語」にスポットを当て、イワキ流のノウハウをたっぷり交えつつ、楽しく軽やかに解説します。今まで「なんとなく」使っていた業界の方はもちろん、専門知識ゼロでもわかる楽しい用語解説を目指しつつ、クスッと笑える「今日の一句」づくりに力を注いでおります。
【キャビテーション】
液体の流れの中で、圧力が飽和水蒸気圧より低くなったごく僅かな間に、液体中に泡の発生と消滅が起きる物理現象のこと。空洞化、または空洞現象とも言われる。
勢い良く吸ったストローの中は、一瞬圧力が低くなり、この気圧差によって、今まで吸えていたシェイクが上がってこなくなります。でも、ゆっくり吸い直せばまたもとの状態に戻るので、再び美味しいシェイクをご機嫌に飲むことができるようになります。気圧のことを意識するのは、山に登ったり、飛行機に乗ったり、あるいは海底に潜ったりと、普段とは違う環境に身を置いたときですが、「気圧の差」というものは、日常でも(平地にいても)ちょっとしたことで生じるのです。
この圧力差を利用しているのが、うず巻きポンプです。インペラ(羽根車)を回すと、外側の圧力は高く、真ん中は圧力が低くなります。洗濯中の洗濯槽の中を覗いてみるとわかるように、真ん中が低くなっていますよね。その特性を利用して、真ん中の低いところに吸い込み口を、外側の高いところに吐出口をつけたのが、遠心ポンプです。
一定の速度でぐるぐると回していけば、液体も一緒にぐるぐる周り、ご機嫌に遠心ポンプの中に吸い込まれていきそうなものですが、ここにもひとつ問題があるのです。
それが「飽和蒸気圧」というもの。私たちは理科の実験で「水は100℃で沸騰する」と教えられましたが、それは1気圧の場合の話。気圧が下がると沸点が下がり、山の上などでは95℃くらいでお湯は沸騰するのです。これを証明したのが、ボイル・シャルルの法則です。
ちなみに、小さい頃は「ボイルシャルルさん」という外国の人がこの法則を見つけたのだとばかり思っておりましたが、実は「ボイルさん」と「シャルルさん」、2人がそれぞれ違う法則を発見したんですね。ボイルさんは、気圧と体積の関係を、シャルルさんは体積と温度の関係をそれぞれ発見し、二人あわせて「ボイル&シャルルの法則」と呼ばれるようになりました。
はい。話を元に戻しましょう。
ポンプ内の圧力が飽和蒸気圧以下になると、液体が気化して泡となって出て来てしまいます。発生メカニズムは異なりますが、ついさっきまでフツーのミネラルウォーターだったのが、いきなり炭酸水になったような感じです。もしくは、今までワインだったのが、急にシャンパンになっちゃった・・・というほうがイメージしやすいでしょうか(大差ないですか。すいません。言いたかっただけです)。
ここでの泡は液体が減圧で気体になったので空気や酸素ではありません。液体が水の場合は水蒸気(H2O)になります。沸騰しているヤカンの泡は水蒸気で蓋から立ち上るのは湯気です。シャンパンは二酸化炭素(CO2)が強制的に溶け込まされている状態で、泡発生現象は似てますが泡内の物質と圧力、発生原因が異なります。
液体そのものが減圧で気化するのと、溶けている気体が栓を抜かれて常圧で出てくる(内圧が下がって出るのは同じですが)という差があります。
泡は「わーい、わーい\(^o^)/」と弾け飛び、内壁はそのつど「いてててて… (>_<)」となっているわけです。また泡(空洞)がインペラ内部にできることで液体の通り道が狭まり、流れにくくなることから性能が低下して、ひどくなると送液不良になります。これも大きな問題です。
この「泡パンチ」の衝撃で、ポンプが破損することも珍しいことではありません。そのためポンプ内の圧力が飽和蒸気圧以下になることによって発生する「キャビテーション」には、注意が必要なのです。
今日の一句
シュワシュワと楽しい泡も ポンプにとっては命取り
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