このコーナーでは、ポンプにまつわる様々な「専門用語」にスポットを当て、イワキ流のノウハウをたっぷり交えながら、楽しく軽やかに解説します。今まで「なんとなく」使っていた業界の方はもちろん、専門知識ゼロでもわかる楽しい用語解説を目指していますので、気楽に読んでいただければ幸いです。

また、文末の「今日の一句」にもご注目ください。クスッと笑えて記憶に刻まれるよう、毎回魂を注いで作っております。

今回の用語は>>>>> ダイヤフラムポンプ Diaphragm pump

「ダイヤフラム」とは、ポンプの機械部分と、送る液体を隔てる弾性の「膜(まく)」のこと。一般的にポンプに用いられるダイヤフラムの素材は、屈伸部はゴム製、接液部はフッ素樹脂などが使用されることが多い。

「ダイヤフラム(膜)」を上下または左右に動かし、ポンプ室内の容積を変えることで流体(液体)の吸込・吐出を行うポンプを「ダイヤフラムポンプ」または「ダイヤフラム式ポンプ」と呼ぶ。

「ダイヤフラムポンプ」ってどんなポンプ?

ダイヤフラムと呼ばれる「膜」を使っているからダイヤフラムポンプ。清々しいほどストレートなネーミングですが、ダイヤフラムの直訳は「隔膜(かくまく)」。何かと何かの「仕切り」の役割をする膜状のものの総称だそうです。

ちなみに、私たちが呼吸をするたびに肺の下で上下運動をする「横隔膜」も、英語にするとダイヤフラム(diaphragm)です。まぁ、横隔膜の場合は、膜というよりは筋肉なんですけどね。

そして、英語的な正しい発音は、最初の「ダ」にアクセントが来ます。・・イヤフラム。はい、もう一度、・・イヤフラム。Good! 以上、ダイヤフラム豆知識でした。

さて、「ダイヤフラムを使っているからダイヤフラムポンプという」だけで全てが理解できたなら、このコーナーはお役御免になるところですが、そうはいかないのが現実です。ここから熱いポンプ愛を注いで、ダイヤフラムポンプについて語ってみたいと思います。まずは基本に立ち戻り、ポンプの基本からおさらいしてみましょう。

基本のキ ポンプのポ ダイヤフラムのダ

ダイヤフラムポンプは、様々なポンプの中で「どのポジション」にいるのか? それを理解するには、まずはポンプの種類を知ることが最初の一歩となります。

ポンプは大きく分けると「容積式」と「非容積式」に大別されます。ここがポンプ分類のスタート地点になります。

1)容積式か非容積式か

「容積式」とは、文字どおりポンプ室内の「容積」を変化させて液送するポンプのことをいいます。ダイヤフラムポンプはまず、「容積式ポンプ」にカテゴライズされます。

一方の非容積式のポンプは「容積式にあらず」ということで、主に「遠心式ポンプ」のことをいいます。遠心式ポンプには、ポピュラーな「渦巻ポンプ」や「軸流ポンプ」などがあります。非容積式ポンプについては、また別の機会を作ってみっちり解説したいと思いますので、ここではサラッと行きますね。

2)容積式で、往復動か回転か

続いて、ポンプの中で繰り広げられる「アクション」に注目してみましょう。現在、容積式ポンプに採用されているのは、「往復動」か「回転」かの二択です。要するに「行ったり来たり」するか、「ぐるぐる回す」か、このどちらかの運動で、ポンプ内の容積を変化させ、液を吐出するのです。

したがって容積式のポンプには、「往復動ポンプ」と「回転ポンプ」の2種類があり、ダイヤフラムポンプは「往復動ポンプ」に分類されます。

3)「何」を往復動させて容積を変えるか

はい。ここまでいいですか? 次に考えるのは、「何」を往復動させるか?です。ポンプ室の構造の話ですね。選択肢は以下の3つ。

棒。膜。蛇腹。 ————以上です。

え? 一体何を言っているんだ? ・・・って感じですよね(笑) でも、至ってマジメです(キリッ!)

とはいえ、シンプル過ぎて伝わらないと思いますので、これをみなさんがご存知の「モノ」に置き換えて、見てみましょう。

いかがでしょう? なんだか急にポンプに親しみが湧いてきませんか?

単なる名前として横文字だけを覚えると、途中で「なんのことだっけ?」となりがちですが、このように身近なモノをイメージしてみると、理解が深まり忘れることがありません。基本さえしっかりしていれば、後でどんな変化球が来ても恐れることなく、すんなりと受け止めることができます。ぜひ今後も「ポンなる流・用語の覚え方」を実践していってくださいね♪

ということで、早速変化球をひとつ。「棒」を使って容積を変化させるポンプのことを「プランジャーポンプ」と呼んだり、「ピストンポンプ」と呼ぶことがあります。言い方は違いますが基本は同じ。ただ外周部の構造が少し違うのと、それによって使用するパッキンやシールの場所が違います。

プランジャー外周部を磨いてグランドパッキンを締め付けてシールする。

ピストン外周部の溝に0リングやUパッキンなどを付けてシールする。

では、最後の区分です。

4)ダイヤフラムを「何」で動かすか

ここも3択です。空気の力。油の力。 そして、機構部と直結させて機械的に動かす。————以上です。

ここは先程のように「え?!」とはなりませんよね。ああそうですか、と、すんなり受け止められると思います。

ポンプ的な用語を使うと「エアー駆動」「油圧式駆動」「モーター直動式駆動」となります。もっと詳しく言うと電磁ポンプの「ソレノイド駆動」もありますが、まずは基本を押さえることが大切なので、ここでは空気・油・機械の3種類のみ覚えておいてください。

はい。長々と書いてきましたが、ここで整理しましょう。

ダイヤフラムポンプは、「容積式」の「往復動ポンプ」に分類され、動かす方法は「空気」、「油圧」、「直動」の3種類がある。

ということになります。以下の図を見て、ダイヤフラムポンプの立ち位置をビジュアルで覚えておくと、あとが楽チンですよ〜。

そして、ダイヤフラムポンプの実物が見てみたい!という方は、こちらをどうぞ。

同じ「ダイヤフラムポンプ」でも動かし方が違えば、形も随分違いますよね。それがキラリと光る個性になっているのです。また、実際にはダイヤフラムの往復動だけでは液を移送することはできず、「バルブ」というまた別のお役目を持った相棒が必要になります。このあたりの詳しい構造についても、機会を作って解説していきたいと思っております。まだまだ深掘りしていきますよ〜。どうぞお楽しみに♪

今日の一句

いろんな力で押したり引いたり
ダイヤフラムはポンプの中の幕(膜)内力士 はっけよ〜い♪

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