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ポンプなるほど
このコーナーでは、ポンプにまつわる様々な「専門用語」にスポットを当て、イワキ流のノウハウをたっぷり交えながら、楽しく軽やかに解説します。今まで「なんとなく」使っていた業界の方はもちろん、専門知識ゼロでもわかる楽しい用語解説を目指していますので、気楽に読んでいただければ幸いです。
また、文末の「今日の一句」にもご注目ください。クスッと笑えて記憶に刻まれるよう、毎回魂を注いで作っております。
【オーバーフィーディング】 Over feeding
ポンプから送られる液体が配管内を移動する際にその液体が持つ「慣性力」により流れ過ぎる現象。
ポンプの吸込み側と吐出側の差圧が少ない時や横引きの配管が長いなどの場合に、吐出量が所定の量より多くなり、安定しない現象を起こす場合があります、ポンプの運転に関する代表的な注意事項のひとつである、「オーバーフィード」または「オーバーフィーディング」が今日の用語解説になります。
物事を学習する上で「感性」というものはとても大切ですが、オーバーフィーディングを理解する上でも、「慣性」がとても重要になります。感性と慣性・・・、オヤジギャグではなく、いたって真面目に申し上げております。(笑)
慣性の法則の詳しい解説は割愛しますが、ポンプを使用するにあたり注目すべきは「流れ出したら止まらない」という状態になってしまうこと。・・・この説明をメルマガ編集部で行うと、「走り出したら止まらないぜ〜」と歌い出す者、「もうぉ、どうにも止まらない〜」、と口ずさむ人、いずれもバリバリ「昭和歌謡」です。気になる方は検索していただければと思います。
そんな液体のオーバーフィーディングとは何なのか? 早くも核心に迫りたいと思います。
前回「ダイヤフラムポンプ」の説明をしたので、ホットなところで定量ポンプのオーバーフィーディングについて、具体的に見ていきたいと思います。
まずはダイヤフラムポンプの基本的動作から説明します。吸込み工程でダイヤフラムの往復運動によりポンプ部内の圧力が下がり、吸込み配管内の液体をポンプ部に吸い込みます。次に吐出工程でダイヤフラムの往復で得られる定められた容積変化により、ポンプ部の液体量だけ吐出側バルブを押し上げて吐出します。
ダイヤフラムポンプ周辺の配管が適切であれば、オーバーフィーディングを起こすことなく定量的に液体を移送します。
このダイヤフラムポンプの動作と似ている光景が、日常生活にあります。人気店舗にお行儀よく人が並んでいるシーンでは、買い物客は順番に店舗の中に入っていきます。「はい、ここまで〜すみません」と、店舗スタッフにより一度入店が止められます。店内の人数を常に一定にして、出口部でも毎回決められた人数が出られるよう、スタッフがゲートを開閉して営業していたとします。
この通常営業からバーゲンセールに変わったとき事態は一変します。バーゲン品を求めて走り出す買い物客の勢いが強く、出入口の店舗スタッフが止められなくなります。買い物客同士も後ろから押され前から引っ張られて、その流れを止められない状態になってしまいます。思い出して下さい、文頭の「慣性」です。
ゲート(バルブ)がきちんと閉まり、定まった人数が制限できていれば問題ありませんが、ゲートを閉められず定員以上の客が入ってこようとするとどうなるでしょうか? まさに配管内を流れる液体は流れている時は一体化して連なっており、「一体型の液体」なのです!
そうです、定量ポンプの「キモ」であるダイヤフラムの往復容積(一定量)を超えた液体が、流れ始めた液体自身の移動する慣性力により配管内を多めに流れ続けようとする現象こそ、「オーバーフィーディング」なのです。
「流れ出したら、もう止まらないぜ!」といった状態にある液体は慣性力により惰性的な流れを生み出します。これを防ぐアイテムが「背圧弁」です。ちょっとカッコつけて横文字を使うと、「バックプレッシャーバルブ」です。
ポンプ吐出の配管先に「背圧弁」をつけることによって、慣性をもって流れ始めた流体に逆に抑える圧力をかけて慣性力を打ち消し、オーバーフィーディング現象を防ぐ事が出来ます。定量ポンプにとって背圧弁は、まさに「頼りになる相棒」となりますので、必ず使用条件に適応する背圧弁をセットでご利用下さい。
また、ポンプやタンクの位置、配管の長さなどによって、背圧弁の仕様(設定圧力)や設置場所などに注意が必要になりますので、ご不明な場合は弊社営業までご相談下さい。
「背圧弁」に関しては別途、熱く語っている解説がありますので、そちらも合わせて読んでみてください。
▼ポンプなるほど 用語編 「背圧弁」
https://www.iwakipumps.jp/blog/naruhodo/12/
今日の一句
慣性で、流れ出したら止まらない! ポンプの大敵オーバーフィーディング
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