ポンプなるほど(第8回)【ポンプと粘性液】

このコーナーでは、ポンプにまつわる様々な「気になる」キーワードにスポットを当てて、イワキならではのノウハウで、楽しく解説していくことを目指しています。

今回のキーワードは>>>>> ズバリ!【ポンプと粘性液】

今回は「粘性液」についてのお話です。
聞き慣れない「単位」も登場し少々アタマがいたくなるかもしれませんが(笑)、ポンプをお使いになる上で、ぜひ液体の「粘度」にも興味を持っていただきたいので、最後までお付き合いください。

サラサラとネバネバ

ポンプの重要な役目は「液体」を吸い上げたり、移送したりすること。しかし、ひと口に液体といっても、じつにさまざまな種類があります。

 扱う液体すべてが水のようにサラサラしたものであれば、何の問題もないのですが、オイルやマヨネーズなどのように「ネバネバした液体」をポンプで使用する場合、ある程度の知識が必要になってくるわけですね。

そこで今回は「粘性液」について、一緒に学んでいきたいと思います。粘性液は純水を基準にして「粘度」という尺度で表されます。

ちなみに「粘性」とは、分子間に引き合う力が生じ液体が形を変えようとした時、お互いの分子間に摩擦と抵抗が生じることを言います。

 

一般的に、粘性液は温度を上げると粘度が減少し、温度を下げると粘度が高まります。

長時間の運転停止などで周囲の温度が低下して液温が下がると、液体の粘度が高まるために、設置計画時の選定仕様範囲を超えてしまいます。

例えば「マグネットポンプ」を使う場合モータの軸動力が不足し、インペラが回転しにくくなり、必要とする流量が得られない可能性が出てくるわけです。

チョコレートや水飴を「回転容積ポンプ」で移送する場合、流動性を確保するために、適正な温度で配管やポンプを加温しています。

粘度の単位を知っておこう!

粘度の単位表示は、SI単位で Pa·s(パスカル秒)、CGS単位の表示で P(ポアズ)等で表され、
0.001 Pa·s(パスカル秒) = 1 mPa·s(ミリパスカル秒) = 1 cP(センチポアズ) = 純水(20℃時) となります。

液体の粘度の目安

ポンプと「粘度」の密接な関係

「マグネットポンプ」を使う際に、液体温度を考慮する必要があることは先に触れましたが、モータ軸動力を決めるためにも、「粘度」が大きく影響してきます。

たとえば、水などのサラサラした液体と見た目にもドロッとしたオイルを、それぞれバケツにいれ手でかき回した場合をイメージしてみてください。

 

どちらの液体を混ぜるのが簡単か・・・もうおわかりですよね? 水の場合は、赤ちゃんの手でもかき回せたものが、粘度が高いと手に大きな抵抗がかかり、赤ちゃんの手ではかき回せなくなります。それどころか、オイルを水の時と同じような速度でかき回すことは、大人の手でも難しいと思います。

この「手」の大きさと力加減が、ポンプでの「モータ軸動力」になるわけです。つまり、粘度が高い液体を移送したい場合、ポンプはモータ軸動力の大きいタイプを選ぶか、手の大きさに相当するインペラの抵抗を少なくするために、小さい形のものに変える必要があるわけです。

化学液体の場合、前述どおり高濃度で温度が低い場合は粘度が高くなります。またその逆で、濃度が低くて温度が高い場合は粘度が低くなります。つまり、ポンプを選定する上では、「液体名」「液体濃度」「取り扱い温度」などが重要な要素になるということを覚えておいてください。

硫酸と水酸化ナトリウムの粘度・比重・温度の関係

  濃度 20℃時 40℃時
硫酸
H2SO4
30% 2.1 mPa·s 1.4 mPa·s
98% 27 mPa·s 14 mPa·s
水酸化ナトリウム
NaOH
30% 12 mPa·s 6 mPa·s
45% 70 mPa·s 19 mPa·s

こうした知識をもって初めて、用途にピッタリなポンプを選べるようになります。・・・ポンプ、奥深し!

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